女子サッカー、南北選手たちの抱擁
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7月20日から27日まで韓国で開催されていたEAFF女子東アジアカップ2013決勝大会で、朝鮮民主主義人民共和国が見事に初優勝しました。
最終日の27日、朝鮮は中国を破って2勝1引き分け、優勝の行方は、朝鮮対中国の試合後に行われる韓国対日本の試合の結果に持ち込まれました。日本にも優勝の可能性があったのですが、結果は2―1で韓国の勝ち。その瞬間、朝鮮の優勝が決まったわけです。
朝鮮の優勝自体もうれしいことなのですが、感動的だったのが、その後の南北の選手たちの喜びを分かち合い抱擁しあう姿でした。韓国の聯合ニュースも伝えています。写真を見るだけでも目頭が熱くなってきます。
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2013/07/27/0200000000AKR20130727066000007.HTML?input=sns
7月27日は、ご存知の通り朝鮮戦争停戦からちょうど60年に当たる日です。その日に朝鮮のチームが韓国での大会で、韓国が勝ったことにより優勝を決めるという、そして、両選手たちが抱き合いながら喜びを爆発させるという、何か出来過ぎの展開で、驚いてしまいました。
韓国には分断の悲劇が生み出した「国家保安法」という悪法があります。この法律のためにどれだけの人々が牢獄へ連れて行かれ、ひどい拷問を受け、亡くなったでしょうか。EAFF女子東アジアカップは国際大会なので、朝鮮の試合には朝鮮の国旗が掲げられ朝鮮の国家が流れます。南北の選手が心から喜ぶ姿といい、「国家保安法」がどれだけ馬鹿げたものであるのかがわかります。
朝鮮の女子サッカー代表が韓国で試合をするのは8年ぶり、2005年の東アジアサッカー選手権以来です。東アジアサッカー選手権の直後には、ソウルで祖国解放60周年を記念する「自主、平和、統一のための8.15民族大祝典」が盛大に開かれて、行事の一環として南北のサッカー親善試合が行われました。
幸い、わたしもソウルで直接大祝典を取材することができました。大祝典開催中、北と南が分断に終止符を打ち統一を実現させるのだと世界に高らかに訴え続けられました。開会式や閉会式、親善試合が行われたスタジアムには、文益煥牧師の「統一は成された」の文字が掲げられていました(写真上)。親善試合の時には、双方の「国旗」は持ち込み禁止で、人々は白地に青い朝鮮半島が描かれた統一旗を手に応援していました。今からたった8年前の出来事です。
あの時、せめて「国家保安法」を無くしていればと思います。逆に、数年でまた、あの頃のような南北の関係に戻せるのだとも言えるでしょう。今回のEAFF女子東アジアカップで繰り広げられた光景が、その大切な第一歩となるような予感がします。
最後に、8年前の大祝典の写真を何枚か紹介し、今日のブログを終わりたいと思います。(k)
民族大祝典の開会式、空には統一旗が描かれた気球が揚がりました。「One Corea!」の文字が
開会式、男子サッカーの会場に出現した人文字による統一旗
試合前には巨大な統一旗が
男子の試合終了後、両選手が統一旗をもってスタジアムを一周し、観客に統一をアピール
閉会式の日に行われた女子の試合、両選手が手をつなぎながら入場してきました