セミの鳴き声
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たまに実物のセミを見ると大学時代の思い出がフラッシュバックします。大学3年の夏で、祖国訪問を翌日に控えた夜でした。荷造りでてんやわんやな時に突然「ジリリリリリ・・・」という音。なにごとかとみんな手を止めて見たところ、友人のベッドのカーテンにセミがはりついていました。うるさいのといつ飛んでくるかわからない不安で作業は一時中断。長い棒で追い出そうと試みると、そのセミが部屋中を飛び回り大パニックになりました。ひとしきり叫んでいると出て行きましたが、こっちに向かってきた時の恐怖は忘れられません。そのせいで、今も近くの木から鳴き声が聞こえてくると少し警戒してしまいます。
セミの鳴き声自体は、聞くと「夏!」という感じがして好きです。風鈴とともに、季節を感じさせる音だと思います。あと花火の音も。ふと、ほかの季節にはそれを感じさせる音があったっけと考えました。ウグイスや鈴虫などいくつか思い浮かびますが、夏ほど象徴する音が多い季節は他にないような気がします。
一人暮らしを始めてから、自然と日常の音に耳を傾けることが増えました。でも反対に、実家や寄宿舎にいる時には気にならなかったちょっとした音にも過剰に反応してしまいます。特に私は怖がりなので、夜にピシッとかカタッという音がするともうどうしようもありません。そのくせ、朝はアラームの音になかなか気づかずよく寝過ごしてしまうから困ったものです。(理)