横浜でも補助金凍結
広告
各種報道でもすでに伝えられているように、横浜市は市内の朝鮮学校3校に支給している補助金の凍結を10月上旬に学校側に伝えた。市は、朝鮮民主主義人民共和国の核実験などを理由に2013年度予算に計上した約250万円の支給手続きを見送ってきたが、このたび、学校を運営する神奈川朝鮮学園側に「現下では執行する状況にない」旨を通知したという。
市はさる10日に朝鮮学校を含む外国人学校に対する「市私立外国人学校補助金」の交付要綱を国際情勢に応じて支給しないことができるよう改正している。具体的には、補助の対象を定めた第2条に、「国際情勢を鑑み、補助金を交付することが趣旨(筆者注:国際交流の増進と私学教育の振興を図る)に反すると市長が認めた外国人学校にあっては、補助の対象としない」という項目を付け加えた。
本年度は県も県内朝鮮学校5校に対する補助金(約6300万)を打ち切ったことで、朝鮮学校の財政状況はさらに厳しくなることは想像に難くない。
「高校無償化」制度からの朝鮮学校除外も含めて、政府や地方自治体による一連の朝鮮学校差別の不当性はあらためて指摘するまでもないだろう。一部の「世論」に迎合し、また朝鮮民主主義人民共和国と関連する国際情勢を理由に(実際には理由になりえないのだが)、行政自らが朝鮮学校やそこに通う子どもたちを差別している。
「高校無償化」問題についてはおもなたたかいの場が司法に移っている。今年1月の大阪と愛知に続き、8月には広島で訴訟が提起された。現在、九州、東京でも訴訟の準備が進めれている。原告は朝鮮学園や学校の生徒、卒業生たちだ。
私たちも誌面を通じて何かできないか―イオ編集部ではすでに来年の誌面編集計画を大枠でまとめ、新たな企画も多く準備しているが、現在係争中の「高校無償化」、補助金裁判についても専門に扱うページをつくり、裁判の進行状況を伝え、当事者や支援者の声を拾い上げ、世論を広く喚起したいと考えている。(相)