民意と名護市長選と安重根
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昨年11月27日のこのブログで、「安重根を「犯罪者」と言う犯罪国家」という文章をアップした。
その中で、「安重根が伊藤博文を射殺したハルビン駅(現・中国黒竜江省)に記念碑を作るよう、韓国が中国に働きかけたことに対し、日本政府が反発したことによる。菅義偉官房長官は11月19日の記者会見で「わが国は、安重根は犯罪者であると韓国政府にこれまでも伝えている」と語り、「このような動きは日韓関係のためにならないのではないか」とのべた。」と書いたのだが、その安重根の記念館がハルビン駅に開設された。
韓国の聨合ニュースによると、開設されたことを受け、菅義偉官房長官が20日の会見で、また「極めて残念であり、遺憾だ」とし、安重根について「日本の初代首相を殺害し、死刑判決を受けたテロリストだ」と発言している。その発言に対し、また韓国も批判、韓国外交部は同日、「歴史の良心に目を閉ざす菅官房長官を糾弾する」という題名の報道官名義での論評を出している。
こうしてみると、日本の愚かな行動のせいだが、2ヶ月前とまったく同じことを繰り返していることがわかる。なんと進歩のないことか。
それはさておき、最初は安重根の記念碑と言っていたものが記念館になっているではないか。吉林省やハルビン周辺など中国東北部は、日本の植民地時代に、多くの愛国者が抗日闘争の拠点として活動したところで、私的に「ぜひ行ってみたい場所」の上位にランクされている。いつか、ハルビン駅の安重根記念館を訪ねたい。
話は変わるが、先日の沖縄・名護市長選で、米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止を主張した現職の稲嶺市長が再選を果たした。移設推進を掲げた対立候補に大勝し、市民たちの民意が辺野古移設に反対であることが明らかになった。
しかし日本政府は、名護市の民意などは無視して、アメリカの戦略に沿った行動を取るだろう。「市民の理解は得られなかったが、国民の理解はある」などと、理屈を作り出すはずだ。そして選挙でもやったように、札束で顔を叩くなど、あらゆる方法を使ってくるだろう。
今回の選挙で、たとえ結果が逆になっていたとしても、米軍基地の辺野古移設は間違っているし、北東アジアの緊張の元凶となっている米軍基地が日本(韓国も)にあること自体が間違っている。
日本が安重根を「テロリスト」と呼びそれに日本の「国民」が理解を示しても国際社会では通用しないし、朝鮮学校を「高校無償化」制度から除外することも「民意」がどうあれ間違っている。(k)