都知事選と暮らし
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先日、東京都知事選が終わったが、当選者の「東京世界一!」の声とは裏腹に暮らしの現場はどんどんキツくなっていくんだぁという閉塞感に覆われる方も多いのではないか。
この4月に消費税は上がるし、なんてったって子どもを育てる環境が良くなるとは到底思えない。
お世話になっている保育園では、2015年から始まるとされる「子ども・子育て支援新制度」が「保育の質を下げる!」と、先生たちがとても心配していて、署名活動などいろいろと動いていらっしゃる。
今、どの自治体も保育園に入れない待機児童が減らないが、その対策として、東京都では「スマート保育」が始まった。
自治体の基準で認可保育所は、保育士の資格を持った人の割合を100%、面積基準を3.3�、場所も単独施設か団地の1階部分に設置されている場合が多いが、「スマート保育」は保育士の割合は5割以上で可、面積基準は認可の半分というものだ。園庭やプールはほとんどなく、場所のほとんどはマンションの空き部屋。乳児の頃は多少狭くてもいいが、あんよができるようになっても、かけっこができるようになっても、保育園では体を動かすスペースすらない。最近あちこちに保育所ができているが、作りやすくなっただけだ。
多くの公立保育園は民営化され、大手企業が参入する場合も少なくない。私自身も、「参入業者によっては、民営化で保育の質がガクンと落ちることもあるから、ちゃんと選んだ方がいい」との助言を受け、いろいろと見て回った。
とにかく保育や介護など、人に関わる行政の予算は少なく、このままでは保育や介護を目指す人たちは減るばかりだ。待機児童の解消のため、ハコを増やすだけではなく、保育者の生活を守るための予算を増やしてほしい。
「公的保育・福祉を守る東京実行委員会」では、東京都に対して、�区市町村が認可保育園の増設をさらに進められるよう、現在の補助制度を拡充し、予算を増額してほしい�認可保育園の設置を促進するために、区市町村や社会福祉法人に都有地を無償で貸与してほしい―と望んでいる。(瑛)