確かに遠くにあったもの
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43回目のブログ更新になりました。個人的に感慨深いというか、記しておきたい数字です。
高級部何年の時かは忘れましたが、ウリハッキョに「イオの記者」がやって来ました。憧れていたイオの記者の到来に興奮し、しかし人見知りの私は話しかける機会をこそこそ窺いながら過ごしていました。そして、寄宿舎の舎監室でくつろいでいた記者を発見。急いでそこに行って、なんとか隣の席を確保しました。
紫色のTシャツを着たその記者は、すでにそこにいた数人の寄宿舎生と談笑したり、「名前の漢字を当てるゲーム」みたいなことをゆるゆるとしていました。生徒の名前を聞き、その漢字を予想してホワイトボードに書くというものです。私はしばらくそこに座りながら、会話が終わるのを見計らって記者に話しかけました。
「あの…イオに入りたいんですけどどうしたらいいですか?」
「イオがいいの? セセデとかもあるよ」
「イオがいいんです」
「うーん、朝大だね」
「…あー…。」
その時は世間知らずだったのもありウリハッキョを卒業したらそのままイオに入りたいと思っていたため、期待したのと違う、なんとも簡潔な返答に拍子抜けしてしまいました。私の残念そうな様子を見たからか、その記者は「トンムの名前は?」と、私の名前の漢字も予想してくれました。「理」の漢字を「梨」と書いたのを覚えています。確か2回目で当ててくれました。
その後、イオの編集部員の中で唯一顔を知っているその記者のブログをたまに読むようになりました。独特で面白い文章を読みながら、自分もいつかこのブログを書けるようになるだろうか、と思ったものです。
その記者が編集部在籍中に書いたブログの数が43。図らずも、今回のブログのネタを考えている時にそのことに気がつきました。憧れのように感じていた記者と、ブログで肩を並べたと思うと少し不思議な感覚です。確かに遠くにあったもの、当時の私からすれば、まだうっすらとしたビジョンも見通しもなかった未来の姿。それがいつの間にか現在の姿になっていたことに、なんだか感慨を覚えたのでした。(理)