本を2冊読み終えました
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昨日、今年も会社に新入社員が入ってきました。
高校や大学などを卒業し就職することは、人生の中で起こるいろいろな出来事の中でも最も大きな出来事の一つだと言えるでしょう。
33年前に就職したときのことを今でもはっきりと覚えています。いろいろとあって、職場が決まったわけですが、その時の仕事を今も基本的に続けているわけで、私にとっては人生を決定付けた大きな選択だったわけです。いろいろあった他の道を選んでいたら、今頃どうなっていたのでしょうか?
就職も一つの出会いだと思います。希望していても欠員がなくて他の職場に行かざるをえなかったり、本来は入れなかったのにたまたま欠員ができて入れたということもあります。引く手あまたの時代があったり、就職氷河期だったりと、いろいろです。大きな流れで見ると、働くことが困難な時代になっていくのだと思いますが…。
就職した当時の20代のころを振り返ってみて思うことの一つは、仕事とは別に、たくさん出かけ、本も読み、映画も観て、人とも会い、新しいことも始め…と、いろんなことをもっとやればよかったということです。
例えば映画も、若いときに観た映画とこの歳になって観る映画とでは、同じ作品でも受け止め方が違います。本も、今は読んでいるときは理解して読んでいても、あまり残らないというか、自分の血肉にならない感じがあります。
本を読むという話が出たので、本のことを書きますが、最近、2冊の本を同時に読み終えました。
月刊イオで「ポドゥナムの里から」を連載していただいている柳美里さんの新作「JR上野駅公園口」(河出書房新社)と、「都立朝鮮人学校の日本人教師」(梶井陟著 岩波現代文庫)です。
この2冊については、またどこかで詳しく書きたいと思いますが、「都立朝鮮人学校の日本人教師」は、日本当局の弾圧の中で現在の東京の朝鮮学校が「都立」となった1950年から1955年まで、現在の東京朝鮮中高級学校で教壇に立った日本人の筆者による記録です。当時の朝鮮学校が置かれた状況を伝える非常に貴重な内容でした。そして、「高校無償化」や補助金問題などでたたかう今の状況と重なる部分がたくさんあって、大きな刺激を受けました。
新入社員のみなさんにお勧めしたい2冊です。(k)