大阪朝高ラグビー部の新チーム
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第15回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会が、3月30日からいつもの埼玉県熊谷ラグビー場ではじまり、大阪朝高ラグビー部が昨年に続き参加しています。3月31日の月曜日、大阪朝高の初戦の日にラグビー場へ足を運びました。
昨年のこの大会、大阪朝高はベスト4に入りました。ベスト4すべてが大阪という、大阪の高校ラグビーのレベルの高さを示した大会でした。
日本全国の新チームが集まる選抜大会は、新チームの実力を測る絶好の機会となります。大阪朝高ラグビー部、今年のチームはどうなのか? 関係者たちの話では、今年もフォワード主体のチームだけれど身体が昨年のチームに比べて大きくなく、昨年とはまったく別のチームになっているとのことでした。
初戦の相手は石川県の日本航空石川。花園でも負けたことのある相手で強豪です。それでも試合前は余裕をもって観戦できると思っていたのにそうではありませんでした。
この日は、関東平野に強風が吹き荒れていました。前半、風下にたった朝高は、相手に主導権を握られます。調子が出ないまま3つのトライを奪われて0-17で前半を終えました。攻め込みながら相手にボールを奪われ独走トライを許した3つめのトライが痛かった。正直なところ、半分負けを覚悟しました。しかし後半、風上にたった朝高は3つのトライを決めてくれました。同じ3トライですが、3つともキックも成功させて21-17と逆転勝利。
2日目(昨日)の筑紫高校(福岡)との試合も、やはり風下にたった前半0-14とリードを許し、後半は盛り返したものの、14-14の引き分けに終わりました。
選抜大会は、予選リーグと決勝トーナメントに分けて行われ、大阪朝高は予選リーグをGグループ(朝高、筑紫、石川、函館の4チーム)で戦っています。決勝トーナメントに上がれるのは各グループ1チームだけです。2試合終了時点で朝高と筑紫が1勝1引分で並んでおり、グループ1位になれるかは、明日(3日)の両チームの結果次第ということになります。
筑紫との試合は直接観ていませんが、初戦を観て、そして2試合の結果を見ると、物足りない内容と言えるでしょう。近畿大会では奈良の天理を破るなどしていたので、それなりの横綱相撲を見せてくれると期待していたのですが。近畿大会では最初から天理との試合に照準を合わせて戦ったそうです。監督、コーチが言っていたのが、高校生はメンタルな部分で大きく左右される、プレー内容も勝敗もやってみないとわからない、ということです。
とにかく、明日の結果に期待したいと思います。現在、大阪朝高ラグビー部のドキュメンタリー映画「60万回のトライ」が各地で上映されているということもあり、ぜひ決勝トーナメントに進出する活躍を見せてもらいたい。
初戦、月曜日にもかかわらず、大阪から何組かの保護者たちが応援に駆けつけていました。また、埼玉の青商会のメンバーやラグビー部のOBたちが差し入れを持って応援に来ていました。青商会ではお弁当などの差し入れていたのですが、私もちゃっかりいただきました。コマッスムニダ。
多くの同胞たちが大阪朝高ラグビー部を注目しています。その活躍が多くの同胞たちに勇気や力を与えているからだと思います。また、ラグビー部は同胞社会に支えられている。だから生徒たちも懸命にがんばる。そのことをまた、知ることができました。
これから日本各地の強豪校は、日々の練習、地方大会や夏の合宿などを経て、年末の全国大会へ向けチームを強化していきます。どれだけチーム力を伸ばせるのか。大阪朝高の呉監督は、今年のチームは今の段階では昨年より劣るけれど大きく伸びる可能性があると言っていました。また、「祖国を訪問して帰ってくるとなぜか強くなっている」と語っていたのが面白く、ウリハッキョならではなのだと思いました。
今年のチームが、同胞や先生、OB、朝鮮学校を応援する日本人らの支えのなかで、実力をつけ、年末の花園での全国大会に6年連続の出場を果たしてほしいと思います。(k)