オリニコンサートを終えて
広告
先日、子どもが通うハッキョのオモニたちや地元とトンポたちと企画した「オンマたちが贈るオリニのためのコンサート」が無事に幕を閉じました。
小学生の頃、2つ上には本場朝鮮で民族楽器の習うという経験に恵まれた先輩方がいて、いつもハッキョにはカヤグムやチャンセナプの音色が響いていました。下校時に流れるリムジンガンはじめ、ハッキョの思い出は音楽とともにあります。
そして30年後。子どもを通じて再びウリノレに出会う過程で、もっといいものを見せたい、と思うようになりました。
今回、コンサートに出演いただいたのは、今はなき東京朝鮮第7初中級学校、東京朝鮮第8初級学校の卒業生や、地元に暮らすアーティストたちでした。
チャンセナプ奏者の崔栄徳さんが、わが子を授かった喜びと不安を込めて作った「アガヤ」もよかったし、高音チョッテ奏者の李淑任さんが奏でた「あなたは私の愛」はウリナラで子守唄として親しまれているもので、やさしい気持ちに引き戻してくれる音色でした。ソヘグム奏者の河明樹さんは、子どもたちが普段から親しむ曲でメドレーにしてくれ、舞踊手の崔成樹さんのチャンダン遊びは、パントマイムの演技とともに子どもに大人気!「オリニのために」の趣旨をキャッチいただいた演出とパフォーマンス、素晴らしかったです。
出演者の皆さんも子育て真っ盛りの方が多く、話が弾み、楽しく意見交換できたことも忘れられない思い出です。
今回、3~12歳の子どもを無料招待するため、オリニコンサートとは別に、大人向けのコンサートを新たに企画し、昼、夜の2回公演を進めたのですが、チケットを誰にどう売ればいいのか、どう宣伝するのかもすべて手探りでした。
日本の学校に通う子どもたちや、国際結婚カップルにも来ていただきたく、声がけもしました。当日、久しぶりに見かけたオンマや成長したオリニたちの姿を見ると嬉しく思った反面、この間に過ぎた年月を実感。学校が違うとなかなか出会う機会はないのです。
子どもの感性は、スポンジのように吸収力があり、その感性は大人顔負けです。二度と戻れないこの時期に「本物を見せなくちゃ」とますます思いました。また、地域でウリ文化に触れる空間をどう作っていけば、子育てに奮闘するオンマやオッパ、オリニたちに楽しんでもらえるのか。何より、どうすれば子育てのつながりを作れるのか。この間、見聞きしたことを振り返りながら、また何かができそうな気がしています。(写真提供=朝鮮新報)(瑛)