世界卓球2014
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既報のように、世界卓球選手権大会が今月28日から来月5日まで東京で開かれる。今大会には125の国と地域が参加するが、朝鮮民主主義人民共和国も出場する。
世界選手権は、団体戦が偶数年に、個人戦が奇数年に開催されることになっていて、今大会は団体戦(男女別)の年だ。
世界ランキング22位の朝鮮男子チームは予選リーグD組。同4位の韓国も同組に入った。一方、世界ランキング8位の女子はA組。選手団には、昨年5月にパリで行われた世界選手権の混合ダブルスで優勝したキム・ヒョクポン、キム・ジョン両選手も含まれている。ランキング的にも女子は上位進出が期待される。
さて、日本開催のスポーツ大会でいえば、毎回問題となるのが朝鮮選手団の入国だ。
報道によると、日本政府は今回の選手権に出場する同国選手団13人に対して入国ビザを発給する方針を固めたという。06年から続く日本政府の対朝鮮制裁措置によって、朝鮮から日本への入国は原則禁止されている。ただ、スポーツ関係者に対しては日本側が言うところの「例外(あるいは特例)措置」としてビザ発給を認めてきた。朝鮮のスポーツ関係者へのビザ発給は12年8月のサッカーU―20女子ワールドカップに出場した選手、役員らに対して以来のことで、現安倍政権下では初めて。
何よりこの制裁自体が不当なものなのだが、それを一旦脇においても、スポーツの国際大会出場であれば、もったいつけずに無条件で許可するのが当然ではないだろうか。査証発給がいつまでもニュースになってはいけないと思う。
ところで、卓球の世界選手権といえば、1991年に千葉の幕張で開催された大会が印象深い。当時、北と南が「統一チーム」を結成し、女子団体戦で優勝した。高校1年生だった私も会場に足を運び、あの歴史的な場面を客席で目撃した一人だ。現状の北南関係では「統一チーム」など夢のまた夢には違いないが、そうであっても今回、何かしらの感動的な場面が眼前に出現することを願わずにはいられない。
本誌では私が取材を担当することになった。大会日程を見ると、ゴールデンウィークにまたがるスケジュールになっている。昨年のこの時期も海外出張で休みの半分が犠牲となったが、果たして今回は…。(相)