モンダンヨンピル、広島朝鮮学校を訪問
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先週のブログでも書きましたが、7月4日に広島でモンダンヨンピルコンサートが大成功のうちに行われました。そして翌5日、出演者とモンダンヨンピル訪問団一行は、広島朝鮮初中高級学校を訪問しました。
まず1時半にモンダンヨンピル訪問団が学校に到着。韓国にいるモンダンヨンピルの会員は、230人ほどになるそうです。東京、大阪でのコンサートのときにも訪問団が来日しましたが、今回はもっとも多い39人がやってきました。
団長を務めたメン・ジョンホさん(55)は東京、大阪に続いて3回目の来日だと言います。メンさんは北海道ハッキョのドキュメンタリー「ウリハッキョ」を観てモンダンヨンピルに参加したそうです。
「事前に児童・生徒たちの顔や名前を覚えるなど、準備を進めてきました。東京のときは10人、大阪のときは20人で倍々と訪問団の人数は増えています。広島の同胞や日本の方々が、今回のコンサートを本当に素晴らしく準備し開催されたことに感動しました。ウリハッキョを訪問するたびに、困難な状況のなかでもウリマルや民族の文化を守っている姿に感動します。在日同胞は本当に一つの血を受け継ぐはらからだと感じます。これからも持続した訪問、交流、支援をしていきたい」と語っていました。
モンダンヨンピル訪問団は各教室に分かれて入り、児童や生徒と一緒にお弁当を食べ、また、一緒にトッポギ、ジャジャ麺を作るなど、交流を深めました。舞台では「バスに乗って、電車に乗って」の歌をダンス付で披露してくれました。
コンサートの出演者たちは3時半ごろに到着。4時半からは全員で大焼肉大会が催されました。
子どもたちに一番人気だったのは、子どもたちとのダンスのコラボを成功させたB-BOYグループのラストフォーワン。子どもたちとサッカーを楽しんでいました。
ラストフォーワンのリーダーのイ・ウォンギさんは、「ダンスは2回、子どもたちと練習しました。ウリハッキョの子どもたちとのコラボは、胸が高鳴り涙が出るほどうれしかった。子どもたちと会えるのは幸せだし、また別れなければならないのは悲しいです。統一が実現したらどれだけ良いでしょうか」と感想を語っていました。
司会を務めたモンダンヨンピルの代表・クォン・ヘヒョさんは、他のアーティストよりも早くハッキョに到着し、生徒たちと足でやるバレーボール(韓国では人気のスポーツで「足球」とよばれています。セパタクローとは違います)を、本当に熱心に楽しんでいました。クォンさんの技術の高さに驚きでしたが、その疲れを知らない体力にはもっと驚かされました。
最後に、広島でクォン・ヘヒョさんにインタビューした内容を紹介します。
「昨年7月の大阪でのコンサートの時に広島の同胞たちが訪ねてくれました。広島でもやりたいという話があったとき、必ず広島でやらなければと思いました。準備する過程で、実行委員会の人たちに細かいところまで気を使ってもらい本当によくしていただき、出演者一同、感謝しています。今回のコンサートを通して、広島の同胞たちのハッキョに対する思いがいかに深いのかがわかりました。
モンダンヨンピルの役割の一つが、日本に朝鮮学校という存在があるということを韓国社会に知らせるということです。そのためにモンダンヨンピルカフェもオープンさせました。そこで多くの人たちが出会えるようにしました。何も知らない人も、そのカフェに入りコーヒーを一杯飲めば、朝鮮学校が日本にあるんだとわかるようになっています。
そのような活動の中で6月には『ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会』も結成され、市民団体が集まり朝鮮学校を守るための活動を行うようになりました。公演が終わって韓国に帰ったら、会の人たちとこれからどのように活動していくのか相談する予定です。
9月には朝鮮学校を宣伝するための映画上映も予定しています。全国を回って「60万回のトライ」や「ウリハッキョ」などの映画を上映しようと思っています。
しかし、まだまだ韓国では朝鮮学校のことを正確には知りません。知っていることも多くありません。朝鮮学校を知るというということは70年間の分断の歴史を知るということであり、朝鮮学校を知るということは、われわれが学ぶことができなかった在日同胞社会について知ることであり、それはまた日本社会での差別の歴史を知ることであり、闘争の歴史を知ることでもあります。だから、初めて知る人は、その存在に驚きます。
今回40人ほどの訪問団が、明日、朝鮮学校を訪問し、生徒たちと一緒に遊んだり、交流をもちました。その中で多くのことを感じ取るでしょう。その人たちが韓国に帰って、職場や学校で朝鮮学校のことを周囲に知らせていくことと思います」(k)