私の好きな詩
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一昨日、東京都・文京シビックセンターで開かれた文化公演「リムジン江物語」を観覧してきました。内容は、朝鮮新報でも紹介されていたのでぜひご参照ください。
(http://chosonsinbo.com/jp/2014/09/04rn/)
「リムジン江物語」というだけあって、公演ではさまざまな「リムジン江」が披露されました。録音された貴重な音源、ピアノ、弦楽器4重奏、ソプラノ独唱、男声重唱、オペラバージョンにアコースティック調…。優に10回は演奏されたでしょうか。しかしそれぞれ異なる音色や歌い方があって、飽きることなく楽しめました。
公演の中で心に残った演目は、同胞男性コーラスグループ・アエによる「아이들아 이것이 우리 학교다」(子どもたちよ、これがウリハッキョだ)でした。温かいコーラスを聴きながら、朝鮮大学校の授業で感じたことが思い出されました。この歌はもともと、同名の詩をもとに作られたものです。
私は「話術」の授業でこの詩の読み方を習いました。最後に暗誦の試験があったため、何度も声に出して練習しました。
詩には「아이들아/이것이 우리 학교다」という言葉が最初と最後の連に2度登場します。1度目は、ボロボロの校舎や机、また朝鮮学校閉鎖令によって踏みにじられたことなどをあげ、子どもたちに対する哀れみと深い悲しみがこめられています。しかし2度目では、それでもカバンを背負って堂々と登校してくる子どもたちの姿から希望を見出し、この場所こそが日本で祖国を教える唯一の学校なのだという誇りと喜びに変わります。
詩を一行一行たどりながら声に出して読むことで、子どもたちを見つめる詩人の気持ちがそのまま伝わってくるような気がしました。暗誦試験の本番では、胸が詰まって泣きそうになったことを覚えています。
冒頭の公演。たまたま当日に招待券をいただいたのですが、素敵な音楽に癒されただけでなく温かい気持ちも呼び起こされて、とても嬉しいサプライズとなりました。(理)