「朝鮮学校の12年」の連載を終えて
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10日の校了日に向けて12月号編集の最後の追い込み段階に入っている「イオ」編集部。これが2014年の最後の「イオ」ということで、今年誌面で連載された企画のいくつかもこの号をもって最終回となる。自分が担当した連載が終了(打ち切り?)を迎えるにあたって、さまざまな思いが胸に去来する(と書くのは大げさすぎるかもしれないが)。
担当した連載の中でも特に印象に残っているのが、「どんなこと勉強するの?~朝鮮学校の12年」という連載だ。これは初級部1年から高級部3年まで朝鮮学校における12年間の民族教育の課程を毎号1学年ずつ解説するというもの。
朝鮮学校の児童・生徒たちは何の教科をどのように学び、どのように成長していくのか―。これまでイオでは朝鮮学校や民族教育について数多く取り扱ってきたが、教育内容を順を追って具体的に解説する企画はなかったので、このような連載を始めたというわけだ。現役の保護者や同胞たちはもちろん、学齢前の子を持つ親たち、朝鮮学校について詳しく知らない人たちにも読んでもらいたいという思いもあった。
執筆は日本各地の朝鮮学校の教員の方々に依頼した。
なにぶん初めての試みだったので、連載開始当初は試行錯誤の繰り返しだった。執筆者選びにも苦労した。
編集者として「書き手の顔が見えるような連載」にしたいと漠然ながら考えていたが、送られてきた文章を通じて、教育現場で多くの児童・生徒たちを教えてきた経験に裏打ちされた視点、朝鮮学校の教員だからこそ紡ぎ出せる言葉の数々に触れることができた。執筆を依頼した教員たちは面識のない人が大半だったが、文章の行間からは、教壇に立つ筆者の姿や児童・生徒たちに注ぐ愛情、そして教育に対する情熱が浮かび上がってくるようだった。私自身も学生時代に戻って民族教育の12年間を追体験するような感覚を味わった気がする。
昨日、無事に最終回の原稿を受け取った。元々、1年限定の企画だったが、何とかやり切ったという達成感の一方で、一抹の寂しさも覚える。
執筆の依頼を引き受けてくれ、こちらの無理な要望にも可能な限り応えていただいた全国各地の朝鮮学校の教員のみなさんには感謝の言葉しかない。本当にありがとうございました。(相)
PDF化希望
栃木初中で教員をしております。
対外事業でウリハッキョについて説明するとき、どうしてもそのハッキョだけの説明になりがちです。
民族教育の権利を守る運動が全国的に繰り広げられている今日、同胞たちはもちろん、日本の人たちに民族教育全般をより良く理解してもらうために今回の特集はとても有益でした。
また、すべての学年を細かく紹介する企画は今まで記憶に無く、民族教育を紹介する上でとても重要な資料になると思います。
是非PDF化してハッキョやウリ機関で活用できるようにしてください。