朝鮮人は煮て食っても焼いて食っても…
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前回の私のブログ「卒業、外登、軍事演習、制裁―3月に思う」で、朝鮮民主主義人民共和国に対する「経済制裁」について次のように書いた。
「2年前と違うところと言えば、2014年5月に朝・日間でストックホルム合意がなされ、朝・日の話し合いが進められいるところだろうか。話し合いをしようとする相手に「経済制裁」を加える。話し合いの意思があるとは、私には思えない。」
その後の3月26日、このブログでも知らせたが、朝鮮総聯の許宗萬議長と南昇祐副議長の自宅に対し日本警察が強制捜索するという許しがたい事件が起こった。そして、3月31日には、日本政府は朝鮮に対する「経済制裁」の延長を閣議決定した。
日本政府は朝鮮と対話する意思がまったくなく、ストックホルム合意を意図的に破綻させようとしていると言える。そして、日本政府は朝鮮人を植民地時代と同じように、煮て食っても焼いて食ってもいいという存在だと今も思っていることがわかる。
4月1日、東京・神保町で日本政府の暴挙に抗議する緊急集会が開かれた。集会では、今回の事態が常軌を逸した在日朝鮮人全体に対する差別・弾圧だということが強調されるとともに、日本が過去の植民地支配に対する清算をせず歴史を歪曲し朝鮮解放後も在日朝鮮人を常に弾圧し続けてきたことが指摘された。
今日のブログでは、抗議集会の中から、日本人弁護士の発言の要旨を紹介したい。
――今回、マツタケの不正輸入という被疑事実で議長と副議長の自宅の捜索差押さえを行った。マツタケの不正輸入は、2006年10月以降、日本が共和国からの輸入を全面禁止したが、貿易会社が2010年9月、共和国産のマツタケを中国産として偽って輸入したことを外為法に違反するとしたものだ。
本来、日本国憲法、刑事訴訟法は厳格な手続きを要求することで、警察による違法な捜索差押さえを許さない、法的な枠組みを用意しているのだが、実際、現在の裁判所は警察の要求を鵜呑みにして令状を乱発しているから、今回のような警察の違法捜査がはびこっている。
議長宅からはまったく何も押収されなかった。副議長宅からも被疑事実と関連するものは何も押収されず名刺1枚もっていった、そういう感じだった。マツタケの不正輸入という名目で行われた捜索差押さえだったが、押収物がほとんどないということから明らかな通り、実際は「総聯や議長・副議長が犯罪に関与している」という印象を作り上げるために、公安警察が行ったイベントに過ぎないものだと考えている。公安警察による重大な人権侵害行為だ。
もう一つ指摘しておかなければいけないのは、総聯が日本において、在外公館としての役割を果たしてきたことだ。議長は実質的な在外公館の代表者であり、実質上、大使という立場にある。在外公館、その代表者にはウイーン条約等に基づき外交特権が認められている。議長・副議長宅に対する今回の捜索差し押さえは外交特権に反する重大な国際法違反だと考えている。
2重の意味で今回の捜索差押さえは、重大な違法行為だ。違法な捜索差押さえを看過することはできない。――
弁護士が指摘している通り、まったく何の関係もない事件に関して被疑事実があると、それも5年前の事件を持ち出して、自宅を捜索することがどれだけむちゃくちゃなことなのか。そんなことが許されるなら、私の家もいつでも捜索されるということになる。在日朝鮮人だけでなく、日本政府が気に入らないと思う人物を狙い撃ちできるということになる。実際に、日本はそういう社会なのだということは知っていたが、改めて思い知らされることとなった。
また、「犯罪に関与している」ような印象を作り上げようとする公安警察の狙い通り、問題の本質を伝えず、警察発表や表面だけを伝えるマスコミも、共犯者だと思っている。
抗議集会には会場から溢れるほどの在日朝鮮人が集まった。参加者の憤りが終始溢れていた集会だった。(k)
Unknown
ホントに、腹立たしいです!!