文科省前での「金曜行動」
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朝鮮学校への高校無償化適用を求め、文科省前で行われている「金曜行動」。毎週金曜日午後4時が近づくと続々と人が集まり、横断幕を掲げ、声を上げ、うたを歌う。この抗議活動は朝鮮大学校の生徒たちの呼びかけがきっかけで始まり、すでに2年が経つ。
普段より多い1000人が集まった7月10日、「金曜行動」に参加するのは2回目というひとりの朝鮮高校生の口から漏れたのは、「不安」だった。
「こうして文科省前に立ってみると、今の難しい状況を肌で感じる。道を歩いている人たちが、私たちが投げかける声を聞いてどう思っているのだろうか。文科省の方たちも、私たちが言っていることを聞いてくれているのだろうか」
それはきっと、この場所に立ってきた人たちの多くが味わってきた「絶望感」。この場所に立つことによって感じる「壁」だ。しかし、この場所に立たないと得られないものがあるのではないかと思う。
スピーカーからは、こんな言葉が響いていた。
「差別と闘い叫ぶことは、時につらくやりきれない思いになります。しかし、差別に正面から立ち向かうこの場に立つことによって、私たちの心は強くなっています。それは、勝利を勝ち取るその日まで、私たちに諦めない信念をくれることでしょう」
強い心があっても、なにもしなければ知らずとそれは薄まっていく。この場に何度も集まって、何回も闘う意味を確かめ合う。「壁」を前に、それでも「頑張らなくては」と繰り返し決心する。金曜日の文科省前は、そんな場所になっていると感じた。
この日、新たにつくられた「金曜行動のうた」が初めて合唱された。朝大研究員生の1人が作曲、朝大外国語学部の日本語科メンバーが作詞した。ここで全文を紹介したい。
金曜行動のうた
1.今日も叫ぶ소리(ソリ) 届かない声
だけどやって来た たたかいの金曜日
汚された우리(ウリ) はじかれる権利
かちとる歌 あきらめない金曜日
부르자(プルジャ) たたかいの歌を
歌おう この声が届くまで
모여라(モヨラ) みんなが待っている
集まろう 今日もこの場所で
2.かき消される노래(ノレ) むなしいだけの歌?
だけど歌う理由が ちゃんとある金曜日
にぎりしめた拳 ここに生きる証
怒りの歌 負けられない金曜日
부르자(プルジャ) たたかいの歌を
歌おう あの涙が乾くまで
모여라(モヨラ) みんなが呼んでいる
集まろう 今日もこの場所で
3.私たちの미래(ミレ) ともにひらく未来
だから歌う理由を 確かめ合う金曜日
君と歌う노래(ノレ) もっと声よ集まれ
希望の歌 明日へ響け 金曜日
부르자(プルジャ) 明日への歌を
涙が 笑顔に変わるまで
모여라(モヨラ) みんなが待っている
集まろう 今日もこの場所で
歌おう 今日もこの場所で (S)
※소리(ソリ)=声
우리(ウリ)=私たち
부르자(プルジャ)=歌おう
모여라(モヨラ)=集まろう
노래(ノレ)=歌
미래(ミレ)=未来
ハングルの意味を教えて下さい
私は一日本人です。「日刊イオ」を毎日読んでいます。ここで質問なのですが、「金曜行動のうた」のハングルの読み方と意味を教えて下さい。「日刊イオ」を読んでいる日本人でハングルを読める人は、めったに居ないと思います。
歌の件
金曜行動の歌が日本語メインなのが残念に思いました。全文ウリマルのほうが民族性を強く感じられる上に、モンダンヨンピルなどの支援者も歌いやすいのではないでしょうか。無償化が実現されれば歴史的な歌になるでしょう。それが「チャンポン語」じゃ恥ずかし過ぎます。是非とも全文ウリマルで作り直して頂きたい!
Unknown
(かんちゃん)さん、返事が遅くなり申し訳ありません。本文中に朝鮮語の読みと意味を書きましたので、ご確認ください。ご指摘ありがとうございます。
歌のタイトルと歌詞について
歌のタイトルは、
金曜行動で繰り返し歌われていることで、
「金曜行動の歌」といわれていますが、
正式なタイトルは「声よ集まれ、歌となれ」です。
この歌は、在日同胞と日本人が合同で行った、朝鮮学校が高校無償化から外された問題を訴える大集会に向けて作られた歌です。
100%朝鮮語でないことが残念・恥ずかしいというご意見もあるようですが、日本に訴える思いが伝わるように、あえて日本語にしたと受け止めました。
一応、100%ウリマルの歌詞もあるとは聞いています。