イオの本「高校無償化裁判」と安保法案反対運動
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ここで何度か紹介していますが、月刊イオ編集部による書籍、「高校無償化裁判~249人の朝鮮高校生 たたかいの記録」が7月14日に完成しました。
私は14日の午前に納品された、できたての本を持って午後に大阪へ。夕方には大阪の無償化裁判の弁護団へ手渡しました。翌日の15日に大阪地方裁判所で無償化裁判の第12回口頭弁論が開かれたのですが、何点かの証拠の一つとして、この「高校無償化裁判」の本が裁判所に提出されたのです。裁判勝利のために少しでも役立ちたいと作ったものだっただけに、さっそく利用していただいたことに大きな喜びを感じました。
大阪での裁判が終了した後、報告集会で本ができたことをアピールすることもできました。
その後、すぐに新幹線で北九州市小倉に移動しました。16日には福岡地方裁判所小倉支部で九州での無償化裁判第6回口頭弁論が行われました。裁判終了後の報告集会で、この本がさっそく販売されており、飛ぶような売れ行きでした。ここでも本のことをアピールしました。
本の内容については上の広告をクリックしてください。無償化裁判のことがすべてわかる内容となっています。
さて、安倍政権による安保関連法案が衆議院を通過して、それを前後し今も国会前では、反対する人たちによる抗議行動が繰り広げられています。
連日流れる報道やネットでの動きを見ていて思うのは、国会前やいろいろな場所で抗議の声を挙げている人たちは、高校無償化制度から5年間も朝鮮学校だけが排除されているという、とんでもない差別が国家によって続けられているということをどれだけ知っているのか? 日本が2006年から朝鮮民主主義人民共和国に対する独自の制裁を続け敵対し緊張を煽ってきたことをどれだけ知っているのか?ということです。何万人も参加しているようなので、知らない人も多いでしょうし、眼中にない人がほとんどでしょうし、いろんな考えの人がいることでしょう。戦争へと突き進む安倍政権を反対することと、「朝鮮学校を高校無償化から排除するのは当たり前」「北朝鮮を制裁するのは当たり前」ということが矛盾していない人も少なくないようです。
安倍政権が退陣し、次の政権が高校無償化から朝鮮学校を排除し続け、朝鮮に対する制裁を続け、在日朝鮮人に対して弾圧を続けても、「安倍政権を打倒して良かった良かった」とすべてが解決したとするような運動なら、どれだけの意味があるのかと、ひとりの在日朝鮮人として思います。何万人もの参加者のうち、何パーセントかでも、大阪府庁前で毎週やっている火曜行動や、文科省前でやっている金曜行動に参加してくれないものかと思ってしまいます。
以前にも書きましたが、安倍政権に反対する運動の中で、「このままだと北朝鮮みたいな国になってしまう」というような言葉をよく耳にしたり目にしたりしますが、まったく歴史認識のない発言であり、そういうことを言っているうちは、日本社会の本質を何も変えることはできないと思っています。
国会前で抗議行動をしている人たち、特に若い人たちに、月刊イオ編集部で出した「高校無償化裁判」の本をぜひ読んでいただきたいと思っています。(k)