隣町にもイオ
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約半年振りの北海道。猛暑が続く東京から逃げるようにして帰ってきた地元はやっぱり涼しくて、とても快適な期間だった。アボジはしきりに「あっついなあ、お前も扇風機かけろ」と言ってきたが、全く必要なかった。夜、窓を開けて寝ると若干肌寒いくらいだ。
普段なかなか取材に来る機会がないため、「読者へ会いに」の取材もしてきた。なんと、私の地元の隣町に暮らす方。たぶんその町でイオを読んでいるのはその方だけ。その町には本屋がなく、わざわざ毎月こっちの町の本屋で取り寄せてもらったものを受け取りに来ているそうだ。
その方の母親の姓は星山。朝鮮人の通名に多いものだという。かれ自身もその話を幼い頃に母親から聞いたとのこと。以来、少しずつ歴史の本を読んだり、在日朝鮮人と関連のある映画を探したりして民族意識について考えてきたと話していた。最近は朝鮮語も勉強しているんです、とちょっぴり披露してくれた。
私の町よりも小さな、隣町にもイオが届いていること、大切に読んでくれている人がいることを改めて知って単純に、すごいなぁ、と思った。
さらに話を進めていくと、どうやら私の町には昔、朝鮮会館があったことが判明した。小さいながらもコミュニティの基点を持っていたらしい。自分の町の在日朝鮮人史というものに初めて興味が湧いた。
…前回宣言した通り「~である調」を使ってみましたが、なんだかやっぱりまだしっくりきません。もう少し続けてみて、自由に使い分けられるようになりたいです…。(理)