8月30日、国会前で
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現在、参院で審議中の安全保障関連法案に反対する声が広がる中、8月最後の日曜日となった30日、日本各地で抗議行動が行われた。
その中でも最大規模となったのは東京・永田町の国会議事堂周辺でのデモ。世代を超えて集まった人々は主催者発表で12万人(警察関係者がメディアに語った数字は3万人)におよんだ。安保法案をめぐる抗議行動ではこれまでで最大のものだという。
私もこの日、写真撮影を兼ねて現場を訪れた。所用を終えて霞ヶ関駅に着いたのが午後4時過ぎ。天気はあいにくの雨。デモ開始からだいぶ時間が経っていたこともあって、国会前に向かう人より駅方面に帰る人のほうが多かった。反対方面から押し寄せる人波をかき分けて現場に着くと、目の前に広がっていたのは国会議事堂前に続く広い車道を埋め尽くす人々だった。
以前までだとデモ参加者は警察によって狭い歩道に押し込められていたが、現場にいた知人の話によると、この日は続々と押し寄せる参加者が歩道からあふれ、結局、車道が早々に開放されたのだという。
私が到着した時には、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」主催の抗議行動が終わり、ちょうど大学生らがつくる団体「SEALDs(シールズ)」主催のアクションが行われていた。いかにも活動家といった人から高校生や大学生と思しき若者たち、家族連れ、高齢者まで老若男女が集まっていた。雨が降らなかったら、人出はもっと多かっただろう。
報道によると、国会周辺のみならず日比谷周辺まで人々であふれた。また、抗議行動は大阪、名古屋、、福岡、沖縄、北海道など日本全国各地の約350ヵ所で行われたという。現場にいたのは2時間にも満たない間だったが、世代も所属も職業も思想的背景も異なる雑多な人々がさまざまな方法で為政者の政策に異議申し立てをすることは、シンプルだが民主主義の一つの重要な実践でもあるのだと感じた。
安倍政権は9月27日までの今国会会期中に法案を成立させる構えだが、広範な民衆の反対の声にどうこたえるのだろうか。(相)