映画「みんなの学校」
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先日、職場近くの東京朝鮮第1初中級学校で、映画「みんなの学校」を見てきました。
映画の舞台となった大阪の大空小学校には、かつては学校に行けなかったり、支援が必要な子どもたちが通っています。
…両親がともに早朝から働くカズキはよく遅刻する。カズキが学校に来ていないことを知るや、自転車を飛ばして迎えに行く作業員の山本さん。カズキたちの住む地区から付き添って学校へ来る久保田さんは、子どもに異変が何かあったときの相談相手だ。
同じ大阪市内の別の特別支援教室に通っていたセイシロウは、校内に2時間いるのが限界で、大空小に転校してきたあとも、教室に入れない日が多かった。木村泰子校長の部屋で寝転んだり、時ににくまれ口を叩きながら、教室を遠ざけるセイ(愛称)に、木村校長は、ダメなことはダメと諭し、何かをできた時には、どびきりの言葉でほめる。セイを振り向かせようとクラスメイトたちも必死。セイの周りには誰かがいる。居ないときも誰かがかれのことを考えている。大人たちの輪が子どもたちの輪を生み、セイはついに学校に居場所を見つけるようになった。
「鉛筆の芯が減る。上履きがよごれる―。このことが嬉しい」と話すセイのママ…。
この日、朝から子どもを叱ってきた私は、木村校長のナイスな声がけに感心することしきりでした。その時々の子どもの心に寄り添う言葉ではなく、頭ごなしに叱ることしかできない自分の子育てを思うと情けなく…
魔法の言葉を生み出す木村校長、すごいです。
子どもにとって、学校とは行かなくてはいけないもの。これは大人が決めたルールです。けれど、わが子が学校に居場所をなくしたとき、大人はどうすればいいのだろう? 子どもは、親は、誰に助けを求めればいい?
この問いにぶち当たる親ごさんや先生は、多いのではないでしょうか。
木村校長率いる大空小の教職員は、困難を抱える子どもにしっかり向き合っていました。担任だけではない、チームの力。「チーム大空」を支える人たちは、学校の外にもいる。とても心強いと感じました。
映画を自主上映したのは、東京第1初中で特別支援教育の充実に取り組む教員と保護者たちでした。映画上映後、同校のО先生が、「特別という言葉は要らないと思う」と話され、同校の特別支援教室「パンシルパンシル教室」に通う子どもが書いた習字の作品を見せてくれました。
朝鮮学校への制度的な差別が改善されないなか、さらに弱い立場に置かれた子どもたちを守ろうと、先生、保護者たちは必死です。この日の上映会も「パンシルパンシル教室」への理解を広げるために企画されました。
募金を集めるため、オンマたちが作った黄色いランドセルキーホルダーもたくさん並んでいました。細かい作業、おつかれさまでした。
声にならない子どもの声を聞くことの難しさを思いつつ、小さな上映会に小さな希望をみつけて帰ってきました。
写真は映画「みんなの学校」公式サイトhttp://minna-movie.com/から(瑛)