無償化裁判、8日は東京、9日は大阪、11日は大集会!
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肌寒い日が続いていますね。いよいよ冬到来と感じたのは先週、先々週と取材に訪れた文科省前の金曜行動でした。
金曜行動は、毎度16時から17時までの1時間の間に行われています。17時に近づくと周りは暗くなり、生徒たちが文科省の職員たちに向けて叫び続ける言葉が寒さとともにいっそう鋭く、時に痛々しく響いてきます。この日に出会った、朝鮮大学校生の言葉は胸を突くものでした。
朝大1年の男子学生は、母子家庭に育った3人きょうだいの末っ子。「母からは、高校にあがるとき、(朝鮮学校が)高校無償化から除外されたから朝鮮学校には行かないでほしいと言われました。家庭が貧しいし、母子家庭であったのも自分で知っていたので、痛いほど母の気持ちがわかっていました。でも母は厳しいのに朝鮮学校に通わせてくれました。…働きすぎて足を痛めた母は今なお働いています。高校の時が一番つらかった、ひどかったと言っていました。高校無償化が適用されていれば、母はもっと苦しまずに済んだと思います」。
就学支援金を受給する権利を持つ朝鮮高校生たちは、いつも文科省に働く職員たちに、一日も早く差別を解いてほしいと訴えています。「建物の中にいるあなたたちに叫んでいます」と。
4日の金曜行動の日、朝鮮大学校生、神奈川朝鮮高校生の傍にセーラー服姿の女生徒が立っていました。都内の私立中学に通う子で、毎週金曜日に文科省前で金曜行動をしていると、どこかで聞いてきたというのです。
「とっても悲しいです」と話す彼女に「なぜこの差別がなくならないと思う?」と聞いてみました。「肖像画を掲げる朝鮮学校が一部の人たちには反日と映り、教育にふさわしくないと思っている。民族のルーツを誇りに思い、学ぶことは当たり前のこと。それは権利だと思う」―。まっすぐな目が印象的でした。
2013年5月に始まった金曜行動には、日本市民、オモニ、アボジ、生徒たちの祖母たちも合流しています。道行く人の関心は決して高いとは言えません。しかしこの女生徒がこの場に足を運んだのは、朝大生、朝高生が声をあげ続けているからこそ。金曜行動の継続力を感じました。
明日8日、東京地裁では11時から無償化裁判第8回口頭弁論が行われます。翌9日11時からは大阪地裁で無償化裁判第14回口頭弁論。そして、11日には文科省前で大集会が行われます。
卒業してもなお、在日朝鮮人の権利獲得のために高校無償化をあきらめず、後輩たちに権利を、と歩み続ける朝鮮大学生の姿を見てほしいです。(瑛)