「その日を夢見て―在日朝鮮留学生の100年」
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年末、取材で在日本朝鮮留学生同盟(留学同)結成70周年記念公演「その日を夢見て―在日朝鮮留学生の100年」に足を運びました。留学同は、日本の大学・短大・専門学校で学ぶ同胞学生たちによる団体です。タイトルにある「100年」という言葉にとても興味を惹かれました。
留学同は結成70年を迎えましたが、朝鮮留学生たちの歴史は植民地時代にさかのぼります。当時の留学生たちは「学友会」を結成するなどし、境遇を同じくする学生同士の交流をはかり、互いの民族意識を鼓舞し合っていたといいます。解放後の1945年9月14日、留学生たちは「在日本朝鮮学生同盟(朝学同)」を結成し、これが後に留学同の母体となりました。
公演では、各地の留学同メンバーらによる創作舞踊や演劇、歌などが披露され、植民地時代に日本に渡り、厳しい弾圧にも屈することなく祖国の解放を夢見た朝鮮留学生たちの闘いや葛藤が描かれていました。
その中で、「信じることが闘い」という言葉が出てきました。先が見えず希望を失いそうになっても、解放の日が訪れることを信じ続けようという意味です。今私たちが闘っている高校無料化問題の解決や、祖国統一の実現など、それに対する思いは強いのに時間が経つにつれて「やっぱり無理なのでは…」と弱気になってしまうことがあります。「信じ続けること」が難しくも大切なのだと考えさせられました。本当の闘う相手は、自分自身の心なのだと思います。
100年前の朝鮮留学生たちは、互いの存在と意思を確認し合いながら、いつ訪れるか分からない解放の日を信じたと思います。私たちも、闘っている友人がいることをそれぞれが力に変え、希望を捨てずに頑張らなくてはいけないと感じました。(S)