不思議な力
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霊感とか不思議な体験とは無縁の人生を送ってきたから、その手の話にとても興味がある。
何年か前に読んだ本には、他人の寿命が見えてしまう人のことが書かれていた。それは普通の人の感覚とは逆で、例えば私たちが周りの人を見て、なんとなく「高校生くらいだな」とか「30代前半かな」とか「50代に見える」と分かるように(中には年齢不詳な人もいるが)、その人は「あと50年くらい」「8年ほど」「残りわずか」というのが分かるらしい。
他にも、幽霊が見える人とか、人のオーラが見えるとか、守護霊が見えるとか、不思議な力というのは、普通の人が見ることのできないものを見る力、というのが多い気がする。
オモニは昔、友達に連れられてよく当たると有名な占い師のところに行ったという。先に占ってもらっている友達の姿を見ながら、オモニが心の中で「こんなん当たるわけないじゃん」と考えた瞬間、占い師に「あなた今、こんなの当たるわけないって思ったでしょ」と言われたらしい。あからさまに表情に出ていたんじゃ…とも思うが、その時のオモニは怖くなってそのまま帰ったと話していた。
普通の人には見えない色々なものが見えるというのはどんな感覚なのだろう。朝鮮の民話には、よく盲目の占い師がでてくる。目で見える以上のことが見える代わりに、通常の視力を失うのだそうだ。
また、世の中には「共感覚」といって、いくつかの感覚を同時に感じることのできる人たちがいることを最近知った。人によって伴う感覚は違うが、例えば音に匂いを感じたり、色が見えたりする。これもすごく不思議な力だが、科学によって原因が解明されているという。なんでも、脳神経の一部に通常では見られない結びつきがあるのだとか。
冒頭に書いた他人の寿命が見える人も、脳の構造によってそういう力を得たのだろうか? 科学的なものと霊的なものとの境界線は…? 考えれば考えるほど興味が沸いてくる。
私自身はまだ、不思議な力を持った人に直接出会ったことはない。いつか実際に会って色々な話を聞くのが、ちょっとした夢である。(理)