ズートピア
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5月の連休中に子どもに誘われ見た映画はズートピア。これが、なかなかおもしろかった。
田舎で育ったウサギのジュディは警察官に憧れ、草食動物と肉食動物が共存する大都市・ズートピアを目指す。しかし、共存とは名ばかりで、警察学校を首席で卒業したにも、配属先では、捜査は任されず、駐車違反を「一日・100件」取り締まれと命じられる。
ゾウやサイに比べて体の大きさなど問題にならないウサギのジュディは、この世界でなかなか認められることはない。キツネのニックもそうだった。
人種差別や人への見下し…。アメリカ社会、いや人類社会が抱えるさまざまな問題が散りばめられていたが、とくに気になったのがキツネのニック。人を騙して小金を稼ぐという生き方は、メインストリームからはずされた者が、抱える性なのか、と同情も覚えてしまった。一度は田舎に帰り、ニンジンを売る退屈そうなジュディの姿にも、どことなく、育ってきた社会への思いが重なる。
物語が急展開するのは、ジュディが肉食動物が行方不明になっている重大事件で捜査の手がかりをつかんでから。結末は急展開。差別されている側も、いつでも「する側」になるのだから、人間は常に自己点検が必要だ。そして、がんばりやのジュディが周りをどんどん巻き込んで、問題を解決していく姿は爽快だった。(瑛)