知り、記憶すべきこと
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(写真はチェッコリHPより)
クォン・ユンドクさんという韓国の絵本作家をご存知でしょうか。息子マンヒのために絵本を作ったことがきっかけで絵本作家として活躍するようになり、これまでに8作の絵本を出版しています。中国で学んだ山水画や仏画の技法を取り入れているそうで、細やかに描き込まれた絵が特徴です。
日本軍「慰安婦」について描いた『꽃할머니(花ハルモニ)』の作者でもあります。この本は韓国で出版されたあと、2011年に始まった「日・中・韓 平和絵本プロジェクト」のうちの1冊として日本語訳でも出版される予定でしたが、出版関係者が内容に難色を示し、実現には至りませんでした。
クォンさんは絵本という媒体を通して、子どもから大人まで多くの人々に過去の悲惨なできごとを伝えようと創作活動を続けています。今年2月には9作目となる『나무도장(木のハンコ)』を韓国で出版しました(イオ5月号のKOREA BOOKSで紹介)。済州島4.3事件についての内容です。
この『나무도장』の作品展(絵本に描かれている絵がパネル展示されます)とクォンさんのトークイベントが、6月に東京で開催されます。主催は、東京・神保町にあるブックカフェ「チェッコリ」。代表の金承福さんが韓国で『나무도장』の原画展を見て、ぜひ日本でもやりたいと開催を決意したとのこと。
描きながら苦しかったこと、歴史について描こうと思ったきっかけ、日本で暮らす私たちに伝えたいことなど…。私も『꽃할머니』と『나무도장』を読んだことがあるので、クォンさんご本人のお話をぜひ聞いてみたいです。クォンさんの絵は全体的にとても繊細な印象ながら、私たちが知り、記憶すべきことはなにか、静かに強く胸に訴えてくるような力を持っています。
興味のある方は、ぜひ以下のリンクから詳細をチェックしてみて下さい。イベントの参加申し込みもできます。
●http://www.chekccori.tokyo/news/160626
チェッコリではクォンさんの絵本販売もしています。(理)