禁煙を始めた
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4月中旬から心機一転、禁煙を始めた。
タバコは20歳のころから吸ってきたので、人生の半分にもおよぶ習慣になる。
これまで20年間、禁煙を決意したことは一度もなかった。今回、諸事情あって禁煙を決意したのだが、これほどきついものだとは思わなかった。
禁煙にあたって、自分の意志でやめることは不可能だと悟り、医学の力を借りることにした。自宅近くの病院へ行き、禁煙外来にかかった。
はじめは1週間ほど禁煙できたが、酒席の場に参加した際に耐えられなくなり、禁煙の誓いを破った。その後、数日間、禁煙期間が続いたが、地方出張の際にどうしても吸いたくなり、2度目の禁煙破り。東京に戻ってきてから数日はタバコを絶ったが、締切間際の忙しさの中、三度禁煙の誓いを破ってしまった。
「やはり自分には禁煙は無理だ!」と投げやりな気持ちになったが、「他人にできて自分にできないわけはない」と再び気持ちを奮い立たせて再度チャレンジ。そこから3週間ほど禁煙が続いている。
禁煙で一番きついのが禁断症状、離脱症状だ。タバコが吸いたい、落ち着かない、気分が落ち込む、イライラ、不安を感じる、集中できない、など。禁煙補助薬を使うことでニコチン切れの症状は軽くなるが、完全になくなるわけではない。このつらさは禁煙の経験者にしかわからないことだろう。
喫煙のきっかけとなる環境を改善しようと、タバコやライターなどの喫煙具を処分し、タバコの煙に近寄らない、喫煙者に近づかないことを心がけた。喫煙の代わりに他の行動を実行しようと、喫煙所に足を向けるかわりに散歩や体操などで体を動かす、飴やガムをかんで口のさびしさをまぎらわせている。禁断症状は禁煙初期は強く現れるが、次第に治まっていく。今では「タバコを吸いたい!」と思う気持ちはだいぶ減ったが、完全になくなったわけではない。禁煙して何がよかったのかと問われれば、正直、あまり感じない。出費が減った、健康にいい、家族からタバコの臭いのことで文句を言われることがなくなった、くらいだろうか。これでも充分大きなメリットだが。
ニコチン依存症(nicotine addiction)は立派な病気だ、私は病気の治療中なのだ、という思いを持って今後も禁煙を続けていきたい。いつかタバコのことが頭の中から完全に消えるまで。(相)