猫ブーム
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大病を患い、ずいぶんと意識がなかったということを書いたが、意識が戻って社会をながめていろいろと考えることが多かった。
一つ、この国のマスコミのあり方。
何か話題になることが起こると、すべてのマスコミが、ワーッと飛びついて情報を垂れ流して消費する。そして次にまた一般の人々の目を引く出来事が起こると、そちらに飛びついて報道する。意識を取り戻した時に話題になっていたことは、芸能人の不倫問題、次に元プロ野球選手の覚醒剤問題、次にまた別の有名人の不倫問題、そして都知事の公私混同問題。
一度、バッシングが始まると徹底的に叩きまくる。その影で、重要なことは伝えられずに過ぎていく。倒れる前も、倒れた後も、マスコミのあり方は変わっていない。
不倫問題で不思議なのは、自分とはまったく関係のない他人の不倫に、人々はなぜそんなに関心を持つのだろうかということ。放っておけばいいのに。
一つ、興味深い現象は、猫ブームが起こっていたこと。
ネットに猫の動画があふれるほどアップされ、テレビ番組にも登場する。猫だけでなくいろんなペットの動画が氾濫している。それらをながめていると、どんな動物でも赤ちゃんの頃は可愛いと思ってしまうし、確かに癒される。ブームになるということは、それだけ癒されたい人々が多いのだろう。
現実の人間社会はギスギス、殺伐としている。政治に希望が持てずに生活も良くならない。それで、ストレスが溜まる。ストレス解消の一つとして、猫などのペットに走る。ペットは基本的に自分を裏切らないし攻撃することもない(ましてや写真や動画は)。どんなブームも現実社会の反映だが、猫ブームもそうだ。
5月24日に衆議院で「ヘイトスピーチ対策法」が可決、6月3日に施行された。まずは良かったし、ヘイトスピーチに反対し闘ってきた人々のこれまでの活動の一つの賜物だと思う。
「朝鮮人を殺せ」「朝鮮人は出て行け」などと、ヘイトスピーチを撒き散らす人々。いろいろな理由があって、そういう行動に走るのだろうが、一つには、ギスギスとした今の社会の中で、「被害者」意識を膨張させて、そのはけ口としてヘイトスピーチを撒き散らすのであろう。そういう意味で、猫ブームと何か繋がる部分があるのではと思っている。
高校無償化からの朝鮮学校除外や頻発する不当な強制捜査などをみてもわかるように、日本政府が先頭に立って一貫して在日朝鮮人を弾圧し続けているのが現実だ。ヘイトスピーチデモのカウンターに多くの人々が参加しているが、高校無償化からの朝鮮学校除外に反対する文科省前での金曜行動や大阪府庁前での火曜行動にも多くの日本の人々が参加してもらいたいと願っている。
イギリスで23日に国民投票があり、欧州連合(EU)から離脱することとなった。詳しいことはわからないが、離脱を選択させたことの一つに、移民問題など、人々の被害者意識があると言われている。日本だけでなく、世界のあちこちがギスギス、殺伐としていっているのだろうか。
全世界で「猫ブーム」が起こるのだろうか。(k)
経済状況と差別は関連性があるのか
80年代90年代に在日同胞を取り巻く環境が改善していき、人々の差別意識が薄れていったように記憶してます。
その理由としては、総聯をはじめとする組織による、民主主義的民族権利の獲得闘争の賜物であると確信してました。
ところが最近になって思う事は、ただ単にあの時期の日本の経済状況が良かっただけなのかなと、ひねくれて考えてしまいます。
生活に不満が無いので、当然政治にも不満が無く、ある意味在日同胞に無関心な人が多く、関心のある進歩的な人の声だけがよく聞こえてたのでしょう。
在日同胞の状況改善に国民の反発も起こらないので、政治も動いてくれたのでしょう。
しかし時代は流れ、経済状況が悪化し国民生活がままならなくなると、(説明は省きますが)、現在のような厳しい状況になってしまうのでしょうか。
北の拉致や、南の独島問題が、仮にあろうが無かろうが、日本の経済状況が良く国民生活に不満が無く豊かであったならば、在日同胞の状況が悪化する事は無かったんじゃないかって思ったりもします。
要は、人は懐具合によって心が清くなったり汚れたりするのかなと。
あまり好きでない朝鮮人が隣に住んでいても、自分の生活に不満が無く豊かであれば、差別意識が生まれる事は無いが、自分の生活が苦しくなると、Kさんが前述したように殺伐とした社会になってしまうのでしょうか。
政治的な運動や愛国愛族運動はできても、それだけじゃ差別は無くならないんじゃないか、最終的なところでは、国民生活が上向かない限りはどうにもならないんじゃないか。
差別解消や同胞を取り巻く状況改善においては、「最後のところ、経済頼み」なのかと。
そんな夢も希望も無い悲しい論理で自己完結してます。
案外アベノミクスが成功して庶民にまで経済効果が波及すれば、差別はなくなるかもね。(右翼の頑張りで差別が無くなる、笑、皮肉ってます)
月刊イオにおいては、世界の国々の移民や少数民族が、居住国からどのような扱いを受けて暮らしているのか特集してほしいと思います。
どこの国籍も与えられていない民族もあると聞いた事があります。
名無しさまへ
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、経済状況も大きな要因ではあるかと思います。しかし、より本質的には、日本の本質的な問題、植民地時代、他国を侵略した時代から、日本の国体は本質的に変わっていないのではないかと思っています。
経済状況が良かった時代は、敗戦からそれほど立っていない時で、過去の国家犯罪を反省する勢力、日本のリベラル勢力が強かったのだと考えています。
世界の国々の移民や少数民族の状況については、なかなか難しいですが、何らかの形で取り上げたいと思っています。