中欧3ヵ国を旅して(4)ウィーン
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このシリーズも今回で最後(の予定)。
中欧3ヵ国旅行最後の地はオーストリアの首都・ウィーン。かつて欧州の中心として栄えたハプスブルク家のオーストリア帝国(後にオーストリア=ハンガリー帝国)の首都、そして数々の作曲家を生み出した「音楽の都」として世界史にもたびたび登場する都市だ。前の旅行地であるプラハ、ブダペストと比べても、日本での知名度は群を抜いている。前の2都市ではほとんど日本人観光客を見かけなかったが、ウィーンにはたくさんいた。
ブダペストからウィーンまでは、プラハ-ブダペストと同様に鉄道で移動。乗ったのはオーストリア新幹線「レイルジェット」。
新幹線といえば日本が有名だが、フランスのTGVやドイツのICEなどほかの国にもある。この2つほど有名ではないが、レイルジェットもなかなかかっこいい。ブダペストからウィーンまで3時間ほどで到着した。
まずは、ウィーン郊外にある代表的観光スポットの一つ・シェーンブルン宮殿。ハプスブルク皇帝の夏の離宮で、豪華で美しい宮殿と広大な庭園が広がる。宮殿内に1441の部屋があり、そのうち45の部屋が一般公開されている。宮殿と庭園、宮殿内に設置された世界最古の動物園を含め、すべてがユネスコ世界文化遺産に登録されている。1814〜1815年のウィーン会議が行われた場所としても有名で、6才の子どもだったモーツァルトが「御前演奏」をした部屋などもあり興味をそそられる。現在もオーストリア政府は海外からの国賓を宮殿に招き、国の公式晩餐会を開いて歓待しているという。とにかくその大きさと豪華さに度肝を抜かれてしまった。
国立歌劇場(オペラ座)、国会議事堂、美術史博物館、ウィーン大学などの歴史的な建造物をはじめ市内の名所の多くは、旧市街を環状に取り巻く全長5.3キロメートル「リング通り」の沿道に並んでいる。
ウィーン国立歌劇場
「音楽の都」の殿堂ともいえる場所。本場のオペラを鑑賞したいと思ったが、1泊2日のタイトスケジュールの中でやむなくスルーした。
ホーフブルク王宮
1918年の帝国崩壊までハプスブルク家歴代の皇帝の居城だった場所。もともとは中世に建てられた城で、ハプスブルク家の栄華の象徴。ここもとにかく豪華絢爛。
ウィーン美術史美術館
1891年に開館。欧州を代表する美術館の一つで、古代から19世紀に至る各地の美術品を収蔵している。ブリューゲルやルーベンス、フェルメール、クリムトなど門外漢の私でも知っているような有名な画家の作品が展示されている。ほかにも彫刻や壁画、天井画など建物全体が美術作品のような趣で、美術好きなら1日いても飽きないだろう。
日本では一般的に美術館内の写真撮影は禁止されているが、ここではフラッシュさえ使わなければ撮影OK。ガラスやロープ、警備員に囲まれて何メートルも離れた地点から人の流れに押されながら観るものと思っていた世界的な名画を間近で眺め、写真撮影も可能というのだから驚きだ。しかしそれを後日知ったので、写真は撮っていない。今でも後悔している。
モーツァルトハウス
モーツァルトが1784年から3年間過ごした家。ウィーン市内で暮らした住居の中で唯一現存している場所だ。(相)