愛知の無償化裁判、続く!
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昨日、愛知で無償化裁判の第19回口頭弁論がありました。ぽつぽつと雨もくる中、名古屋地裁前には約140人が傍聴券を求めて並びました。
法廷では原告側弁護団が準備書面22を提出。前回の口頭弁論(ブログ記事はこちら→http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/2809bf65b617a58ed633e56c7f52c0df)の際に提出された成嶋隆会長(日本教育法学会)の意見書をもとに、弁護団の主張を改めてまとめた内容になっています。
裵明玉弁護士が要旨を陳述。第1章では、在日朝鮮人の民族教育の権利が法律上保障されているということについて、第2章では、国側が主張し続けている「不当な支配」という言葉がいかに不確かなものなのかということについて、第3章では朝鮮学校に就学支援金を支給するための根拠になる「規定ハ」を削除した国の違法性について書かれていました。
続いて、場所を移して報告集会が開かれ、裵弁護士が準備書面22について解説しました。弁護団は書面を作成するにあたって、国側がこれまでに「不当な支配」の根拠だといって提出した証拠を一覧化したそうです。国は、産経新聞の記事、公安や警察庁が朝鮮学校について発言した内容、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」などが政府に提出した「朝鮮学校を無償化に適用するな」という要請文までも証拠として提出しています。すべてにおいて主観的だったり、正確でなかったり、自分たちの都合のいいように記事の一部を利用していたりと、証拠としての信憑性が一切ないということが改めて話されました。
解説が終わると、今回から弁護団に新しく加わった白村大勲(金大勲)弁護士があいさつをしました。白村弁護士は愛知朝鮮中高級学校を卒業しています。これから一緒に頑張っていきたいとの決意に、会場から拍手が上がりました。
また、この日は龍谷大学の金尚均教授が傍聴のため京都から足を運びました。金教授は自身の経験も話しながら、「無償化裁判は『人間の尊厳の否定』を回復するための闘い。粘りに粘って、必ず一人ひとりの人間としての尊厳を守り抜きましょう!」と生徒や保護者、支援者たちを力強く鼓舞しました。
岐阜からは、一昨年、昨年とオモニ会の会長を務めた金玲華さんが駆けつけました。「私の子どもが今、愛知中高の高3。高級部に入学した時に、いよいよこういう裁判に直面したという実感がわいた。岐阜朝鮮初中級学校には、初級部と中級部にまだ自分の子が通っているので、希望を捨てずに闘い続けていきたい」としっかりした口調でのべました。
他にもさまざまな人がアピールし、変わらず活気のある場となりました。
今回の口頭弁論で、原告側弁護団の主張は一通り終わりました。次回からは被告の反論が続きます。来年には証人尋問も行われる予定。愛知での裁判はまだまだ続きそうですが、着実に国を追いつめている、という印象を受けました。弁護団長の内河惠一さんは、「これから裁判が面白くなっていくと思います」と話していました。今後の進行も注目です。
次回の裁判期日は11月7日(月)の14:00から。次々回は1月16日(月)の14:00から、ともに名古屋地裁で行われます。これからもっと傍聴者、支援者が増えるといいですね。