増え続ける「少女像」
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ソウルの日本大使館前にある「少女像」。正式名称を「平和の碑」という。
2011年12月14日、日本軍「慰安婦」被害者たちの人権と名誉を回復するために行われているソウルの日本大使館前での水曜デモが1000回目を迎えたときに、それを記念して日本大使館前に建てられたものだ。作者は韓国の彫刻家、キム・ソギョンさんとキム・ウンソンさん夫妻。
最近、この「少女像」に関する「〈平和の少女像〉はなぜ座り続けるのか」(世織書房、1000円+税)という本を読んだ(写真下)。読んでいて、自分が「少女像」について、非常に認識不足だったことに気づかされた。
この「少女像」、現在、いくつ存在するか、ご存知だろうか?
今年8月6日現在で、キムさん夫妻が作った「少女像」だけでも、韓国に29、アメリカに2、カナダに1、オーストラリアに1が存在する。形もいろんなものがある。
昨年末の日本軍「慰安婦」に関する日韓合意の後、日本政府は「少女像」を撤去しようとやっきになっているが、韓国の大学生たちは、「少女像」を守るために、24時間体制で日本大使館前で座り込みをしている。韓国の女子高校生たちは、100の高校に「少女像」を建てるプロジェクトを進めている。個人が小さな「少女像」を所有するプロジェクトも進められている(私もぜひ購入したい)。
「少女像」が増え続けるのは、「少女像」自体がもつ「力」によるところが大きい。日本の国家犯罪を告発し続ける。歴史を修正しようとする日本に国家犯罪に向き合うことを求め続ける。
日本が「少女像」を撤去しようとすればするほど、「少女像」は増え続けていく。
日本にも、どうにかして、「少女像」を建てられないものか、本を読んでそう思った(k)