100回目の「金曜行動」に思う
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朝鮮学校への高校無償化制度適用を求め、毎週金曜日夕方に文部科学省前で行われている「金曜行動」が、10月21日で100回目を迎えました。文科省前には1000人の人びとが集まり、日本政府の差別に強く反対しました。
この抗議活動は2013年5月、朝鮮大学校学生の呼びかけで始まり、たくさんの人が携わってきました。
先代たちが勝ち取ってきた民族教育の権利を奪われてはいけないと胸を張って声をあげる大学生。後輩たちに同じ思いをさせたくないと勇気を振り絞ってマイクを持つ高校生。子どもたちが闘う姿に胸をえぐられながら共に声をあげるオモニ(母親)たち。「日本人の問題」だとこの場に駆けつけ、大学生が参加できない時は「勝手に金曜行動」で運動をつないできた日本の支援者たち。そして、同じ思いで闘う日本全国の朝鮮学校生徒、学校関係者、支援者たち。
3年の間に、朝鮮高校生や朝大生の多くが卒業し、ここに立つ人たちの顔ぶれも変わりました。そして、高校生から大学生になり、大学生から教員となり、変わらずこの場に立ち続ける姿があります。闘いの3年間は、成長の3年間でもあったように感じます。
長い闘いは、自分との闘いでもあります。通り過ぎていく通行人を見て悲しくなったり、どうして声が届かないのだろうと虚しさだけが残ったり、そんな金曜日もあったと思います。それでも、一緒に声をあげる仲間の姿に力が沸いた日もあったはず。「頑張ろう」と何度も決心した日々だったはず。
一人ひとりの顔を浮かべると、この3年間、この場でどれだけの思いが共有されてきたかを考えさせられます。
文科省前「金曜行動」は100回目という節目を迎えましたが、この先、この何倍も回を重ねることになるかもしれません。たとえそうなっても、「絶対に諦めない」という、参加者たちの「覚悟」が見えた金曜行動でした。(S)