朝鮮学校への弾圧、韓国の支援者が抗議
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10月28日、韓国の「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」などの代表12人が、文科省を直接訪れ、日本政府の朝鮮学校差別に反対する要請文を提出した。
要請文では、今年3月29日に文科省が地方自治体に出した朝鮮学校への補助金停止を促す通知について、「日本政府が今後も在日朝鮮人に対する差別と弾圧の政策を持続・強化し、民族教育の内容に難癖をつけ、朝鮮学校に対する差別政策を持続するという意志」の表れだと非難した。
また、在日朝鮮人の歴史的経緯や、日本政府に出されている国連勧告についても指摘し、一日も早く朝鮮学校生徒たちに高校無償化を適用すること、学生たちを威嚇する右翼団体に対して規制処置をとることなどを訴えた。
「私たちは朝鮮学校差別反対、高校無償化制度適用を要求する在日同胞と良心ある日本社会の動きに積極的に連帯し、韓国社会でこれをより一層拡散させていく。日本政府の蛮行を大々的に知らせ、朝鮮学校に関する裁判が勝利することができるように力を集める。私たちは私たちの同胞に対する日本政府の継続する差別をこれ以上、座視しない」
これに対応した文部科学省修学支援室国際課の担当者は、補助金の支給は地方自治体に任せていると繰り返した。
また、「3.29通知」を出した理由について、政治状況を配慮し国としてのスタンスを示す必要があったと説明。これに対しては、「それこそ教育と政治を絡めた朝鮮学校への差別だ」と批判の声が上がった。
要請が終わると、韓国の支援者たちは、文科省前で行われていた金曜行動に参加。雨が降りしきる中、朝大生たちと共に不当な弾圧へ反対の声をあげた。
韓国支援者の1人は、「あまりにも心が痛い。息子、娘のような朝鮮学校の子どもたちに申し訳ないという言葉しか出てこない」と話しながら、参加者たちを激励した。
朝大生が歌を歌う姿に、涙を浮かべる韓国支援者の姿も見えた。
この日、金曜行動に参加した朝大生の1人は、「この活動を続ける中で葛藤もあるが、韓国や日本の方が共に闘ってくれているようすをこうして直接見ると、自分たちだけではないということ、運動が連帯の中で行われていることを感じられた。自分たちの役割、闘う意味を改めて考えさせた」と語っていた。(S)