本紹介「神様2011」
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今日は本の紹介を。
「神様2011」川上弘美さんの小説です。
初版は2011年9月。
新しい本ではありませんが、私自身最近知り、自然や原発についてまた一度深く考えさせられた本でした。
元々は作者がデビュー作(1993年)に「神様」という作品を書き、3.11東日本大震災が起こった後に、加筆し「神様2011」を書き上げました。
この本には「神様」と「神様2011」二つの作品が掲載されています。
話の流れとしては、
ある日主人公の隣に「くま」(雄の成熟した熊)が引っ越してきて、引っ越しそばを持ち挨拶にくる。
赤の他人ではないと知った主人公とくまは、
ある日ピクニックに出かける。
というのが主な内容。
現実世界に話ができる熊が表れるというなんとも不思議なお話です。
加筆された作品には、原発事故後の変わった景色や事柄、言葉などがでてきます。
作者はあとがきでこう書いています。
「日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。」
私はこの本を読んで、人間と自然との共存や、人間がいいと傲慢に思いやってきたこと(原発推進など)への驕りなどを感じ、いまいちど原発事故について考えさせられました。
神様2011は日本の教科書にも掲載されているということで興味はもっていたものの、読んだことはありませんでしたが、
この作品はとても読みやすく、それでいて、深いので、
ぜひ機会があれば読んでみてください(愛)