素晴らしかった東京中高70周年記念公演
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11月20日の日曜日は、東京朝鮮中高級学校の70周年記念祝典に参加してきた。
私は第2部の記念公演から参加したのだが、いつにもまして素晴らしい公演だったと思う。朝鮮学校はいいな、と思う時はいろいろとあるが、子どもたちの芸術公演を観る時もそのひとつだ。幼稚園児から大学生まで、これまで何百という公演を観てきたけれど、どれも例外なく素晴らしいものだった。
70周年記念の公演は、生徒たち一人ひとりが、自分たちの学校の70年の歴史に思いを馳せ、誇りに思い、守って行こうという気概にあふれ、いつにもまして素晴らしかった。定番の「万豊年」はじめ(写真1)、どの演目も良かったが、一番心に残ったのは、チョゴリの制服を題材にした舞踊だった(写真2)。
1990年代に入り、各地で朝鮮学校の女子生徒が通学途中に襲われ、着ていたチョゴリの制服を切り裂かれるという卑劣な事件が続いた。日本社会に根深く残る朝鮮人蔑視・差別と政治的に作り上げられた「反北朝鮮」の風潮、日本政府による朝鮮人に対する弾圧の歴史を象徴するのが、女子生徒のチョゴリ制服に対する攻撃だ。
朝鮮学校は仕方なく、通学時に着用するブレザーの第2制服を導入する。しかし、チョゴリ制服は今も守られ、生徒たちは朝鮮学校の中で朝鮮人としての心を育んでいる。民族教育は生徒たちにとってなくてはならないもの―それらのことを舞踊の作品として見事に表現していた。
けっしてつけたしではなく、朝鮮学校に子どもを送るオモニたちの合唱(写真3)も素晴らしかった。オモニたちの多くは、ン十年前は朝高生だったはずだ。卒業して子どもを朝鮮学校に送り、舞台に立つことで朝鮮学校に戻る(おそろいのピンクのシャツが素敵だった)。この日、公演に出場した生徒たちも、これからも、卒業した後も、いろんな形で朝鮮学校を訪ねてもらいたいと思った。(k)