第16回「南北コリアと日本のともだち展」
広告
第16回目となる「南北コリアと日本のともだち展」(主催:同実行委員会、後援:文化庁、日本ユネスコ協会連盟、東京都教育委員会)が2月17~19日、東京都内の会場で行われた。
14年もの間、叔父や叔母、いとこたちが暮らす朝鮮民主主義人民共和国には行っていない。そんな私にとって、このプロジェクトは、朝鮮半島の息吹を感じることができる貴重なイベントだ。
たくさんの凧で彩られた会場では、小学生たちが思い思いに凧に絵や字を描いていた。
一番見たかった朝鮮半島の子どもの絵のコーナへ。
日本に暮らすコリアンの子どもの絵や中国に暮らすコリアンの子どもの絵も展示されていた。
今年のテーマは《私の一日を紹介します》。放課後に友だちと過ごす様子や、子どもたちの趣味が描かれていて、ホッとする。
平壌の子どもが作った凧も展示されていた。作り手の子どもたちと目線が合うので、もし再会することがあったら、親近感が沸くと思う。
今は行き来できない朝鮮と日本の子どもたちが、「文通」で心を通わせている様子も。
日朝の大学生たちが平壌で交流し、難しい政治課題を議論しつつ、埋められない「溝」を感じた新聞報道も展示されていた。
その記事を見ながら、社会制度も歴史も違う2つの国。ましてや両国の間には70年以上も国交がないことを再認識する。
そして、この不正常ななかでも、出会い語り合うー。この素晴らしさを伝えているのが南北コリアのプロジェクトだと、継続の力に感動した。
19日には、イオの1月号で朝鮮の凧作りを教えてくれた、韓東輝さん(元美術教師)のギャラリートーク「おじいさんの凧」も行われた。
釜山に暮らしていた頃、オモニのいない隙を狙ってミシン糸や小麦粉を探してきては、凧や凧糸作りを楽しんだ話、瓶を割った細かいガラスに糊、小麦粉に混ぜて凧糸に通し、凧ゲンカを楽しんだこと。。。貧しさの中でも満喫した少年時代の話は好評だった。
朝鮮半島と日本はこんなにも近いのに。。。近いことすら忘れてしまうほどの日常生活だが、自由に往き来できる「いつか」を思わせてくれたひとときだった。
展示の実現に尽力された関係者の皆さまに感謝します。(瑛)