次回最終弁論、180人規模で集会/広島無償化裁判第16回口頭弁論
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広島無償化裁判第16回口頭弁論が2月8日、広島地裁で開かれた。
法廷では、原告側(朝鮮学園)が第16準備書面、被告側(国)が第12準備書面を提出し、原告側の弁護士が内容について口頭弁論を行った。
原告は、被告から提出され明らかになった自民党政権発足直前から本件省令改正(ハ規定削除)までの事実過程、また昨年12月に東京地裁で行われた元文部科学省職員への証人尋問について分析。
これらを見れば、▼本件省令改正が、審査会での審査状況を無視し、朝鮮学校を不指定処分とすることを目的に行われたこと、▼本件省令改正が、文科大臣の政治的・外交的判断によるものだということは一目瞭然であると主張した。
被告は、原告が過去に出した第14、15準備書面に対し反論。
「授業料は、それまで自分たちが支払ってきた金額と何ら変わりはないし、生徒らも、それまでと何ら変わらず当該学校において学ぶことができるのである。しがたって、不指定となったからといって、原告らのいう『民族教育の権利』を侵害するものではない」などとしながら、教育の場で朝鮮学校だけを差別し無償化制度から除外していることを繰り返し正当化した。
裁判終了後には報告会が行われた。
2月19日には、保護者や支援者約180人が広島朝鮮学園に集まり、「私たちの願い・朝鮮学校に笑顔を! 全国行動月間-高校無償化裁判勝利・補助金カット反対-広島集会」を開催。3月8日に行われる最終弁論に向け、学校側や支援者らが今一度足並みを揃えた。
集会では高校無償化の適用、県と市の補助金再開を求めるアピール文が採択され、その後、世論を喚起させようと集会参加者らが市中心部4ヵ所の街頭に立ち、横断幕を掲げながらビラを配布した。
次回の最終弁論(3月8日13時半~、広島地裁)は、1時間の時間を取って行われる。
双方が最終準備書面を提出し、原告側は2人が口頭で意見陳述を行う予定だ。(S)
(写真=裁判後の報告会のようす。広島朝鮮初中高級学校提供)