ネコに襲われた
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このブログで「ネコブーム」のことを書いたが、ネコに限らず、ペットブームが到来している。テレビではペットに関する番組が毎日のように放送されている。通勤で道を歩いていると、イヌを散歩させている人が以前よりも増えたという印象がある。SNSでもネコやイヌの動画がたくさんアップされている。イオの編集会議でも「同胞が飼っているペットを紹介すれば」という意見も出ているくらいだ。
ペットを飼ったこともないし、飼いたいと思ったこともない。散歩や相手をするのも面倒だし、動物の排出物の処理もしたくない。餌代など出費もかさむ。イヌやネコに服を着せたいとも思わない。
一番の理由は、何よりも一つの命をあずかるという重みを背負いたくないからだ。生き物だから怪我もすれば病気にもなる。ネコもイヌも寿命が15年ほどだと聞くが、亡くなったときに悲しみを感じることも嫌である。要するに、生き物を育てる重み、責任を負いたくないということ。
イヌは飼うよりも食べるものだと思っているし…。
私はこんな考え方だが、ペットを飼うことを否定しているのではまったくない。責任を持って飼っている人がほとんどだと思っている。人生の喜びをペットから得ているという人も多いのだろう。
SNSなどにアップされている動物の動画を見ていて、可愛いと思うことが多いが、とても気になることがある。人間の赤ちゃんとペットが絡み合っている動画が非常に多いけれど、見るたびに、大丈夫かとひやひやしてしまうのだ。
今月9日、東京都八王子市で、生後10ヵ月の女の赤ちゃんが祖父母の家で飼い犬のゴールデンレトリバーにかまれて亡くなるという事件が起こった。これを伝える記事で知ったのだが、イヌにかまれる事故が2015年度には、日本全国で4373件も起こっていて、そのうちの98%が飼いイヌによるものだという(環境省による)。
私も赤ん坊のころに事故にあった。中学生のときに母親から聞いたのだが、赤ん坊の私が部屋でひとり寝ていたら、野良ネコがやってきて私の顔に襲い掛かったらしい。しばらくして母親が戻ってくると、ネコが私の顔に悪さをしていて、私は顔中を血だらけにして泣いていたそうだ。爪に引っかかれた傷はよほど深かったのだろう、今も左目のすぐ横にうっすらと残っている。爪が少しでもずれていたら、失明していたかもしれない。
ペットを赤ちゃんに近づけて、事故が起こったら、誰が責任を取れるのだろうと、いつも思っている。
いま世間では「森友学園問題」が大きな騒ぎになっている。突っ込みどころが多すぎる騒ぎだが、政治家による利益誘導も問題ではあるけれど、その教育内容のひどさにあまり関心が向かっていないように思える。園児に「教育勅語」を暗誦させ、隣国を露骨に差別する…、そんな教育をおおっぴらに行い、それを政治家が支援する。日本はこれからどんな社会になっていくのだろうか。
ペットと赤ちゃんの件もそうだが、日本に住んでいる人々は、私もふくめ危機意識が麻痺しているのではないかと思ってしまう。(k)