新大統領と「親北」「反日」
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韓国で9日、大統領選挙が行われ、「共に民主党」の文在寅氏が全体の41%ほどを得票し当選し大統領に就任した。事前の支持率でも文氏がリードしており、その通りの結果となった。
今回の選挙についての日本の報道を見ていると、投票前、各候補者を紹介するときに、文大統領の紹介には、「親北」「反日」という文字がどこの放送局でも踊り否定的に語っていた。日本社会全体の雰囲気がそのようなものだったと思う。
「親北」というのは、北と仲良くしていこうということなのだろうが、それをなぜ否定的に見るのかが理解できない。北と南が仲良くすることを日本がなぜ、否定的に捉えるのか。「国際社会を乱す北朝鮮、みんなが一致して北朝鮮に対する圧力を加えていかなければ」ということなのだろう。例えば、アメリカが他国にミサイルを撃ち込んでも、他国の体制を転覆させても何も言わない。今の「国際社会」のおかしさを1ミリも疑っていない。
「反日」というのは主に、2015年12月の日本軍「慰安婦」問題に対する日韓の合意を「見直す」という内容の発言を文氏がしたことに対する反応であった。日本が過去のアジア諸国への侵略と植民地支配、その過程で行われた数々の犯罪を反省し清算することが当たり前であって、それを促すのは「反日」でもなんでもない。いま露骨に進めている歴史修正主義的な動きこそが「反日」である。
新しい大統領がこれからどのような政策を取っていくのか、まだわからないとしか言えない。ただ、北との関係では、6.15共同宣言、10.4宣言を真摯に履行してもらいたいということだけだ。(k)