在日同胞とは何か? 同胞特別永住者数統計に思う
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在日本朝鮮人人権協会の雑誌「人権と生活」の44号が先週に届けられた。いつものように、巻末の資料「在日同胞・在日外国人 人口統計」を見た。
2016年の「同胞」の数は48万5557人、そのうち「同胞特別永住者」の数は33万5163人、「同胞一般永住者」の数は6万8501人となっている。(ここでいう「同胞」は「特別永住者証明書」および「在留カード」上の「国籍・地域」欄が「朝鮮」もしくは「韓国」表示のものを意味する)
日本による植民地支配の結果、日本に住むこととなった在日朝鮮人は、だいたい「特別永住者」と同じ数だと言えるので、33万5000人ほどになる。「一般永住者」と合わせても40万3000人ほど。「同胞特別永住者」の数は2015年と比べて、1年で9581人も減っている。
「人権と生活」には「在日同胞帰化許可者数統計」という資料も載っていて、2016年の「同胞帰化申請者数」は5505人。「同胞帰化許可者数累計」は36万5530人となっている。
現在、出回っている月刊イオ6月号の特集は「イルム―私の証」で、名前の問題を扱った。いろんな同胞の方たちに自分の名前のことについて原稿を書いていただいた。筆者の中には、両親のどちらかが日本人、いわゆる「ダブル」の人も何人かいた。そのことと自分の名前とを関連させた原稿を読みながら感銘を受け、いろいろと考えることが多かった。
13年ほど前、新聞の編集部から月刊イオの編集部へ出戻りしたとき、まず考えたのは、「在日同胞とは何か? どういう存在か?」ということだった。「国籍」や「血」「出生地」などでは、到底、説明できない、「名前」や「生活習慣の共通性」などとも違う。それほど「在日同胞」は多様で複雑で幅広い。
1993年の統計では、「同胞特別永住者」は57万8741人となっている(「同胞」の数は68万2276人)。それから24年、「同胞特別永住者」「同胞」の数は、統計上ずいぶんと減っているが、「在日同胞」の数は減っていない。そんな多様で複雑で幅広い「在日同胞」たちに、ひとりでも多く月刊イオを読んでもらいたいと願い月刊イオを作ってきたつもりだ。
ある人を指して、「在日同胞かどうか?」ということを決めるのは、その人が、どのように生きようと考えているか、ということによるしかないと思っている。(k)