朝鮮でパッケージツアーが人気?
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先ごろ、「朝鮮新報」電子版で興味深い記事に接した。
「朝鮮国内でパッケージツアーが人気」と題した平壌発の記事。朝鮮で国内観光が人気を集めているという内容だ。http://chosonsinbo.com/jp/2017/06/sinbo-j_170626/
記事によると、人気の背景には、経済政策の一環として近年、観光事業の活性化が推し進められていることがあるという。2014年に設置された元山-金剛山国際観光地帯をはじめとする観光開発区を各道に設置するなど観光地の開発が進められており、これにともなって国内の旅行会社では観光客向けのサービスを拡充しているとか。
各社が提供するツアーの目的地は金剛山地区、元山地区、西海地区、三池淵地区、開城地区など。白頭山、七宝山、妙香山など誰もが知る定番観光地のほか、麻田海水浴場、馬息嶺スキー場など近年になって開発されたリゾートスポットを低価格で提供している。日程は1泊2日~4泊5日まで。各社ともパッケージツアーを推しており、新聞やウェブサイトで告知して参加者を募っているというから驚きだ。
平壌市内のバスツアーも好調で、市民を対象に週に2~3回のペースで行われている。日帰り、昼食付きで約10ドルだという。記事は市内ツアーの利用者の感想も紹介している。「口コミで話題だったので気になって初めて参加してみた。平壌生まれだが、遊覧船に乗って市内を見渡したのは初めて」(同じアパートに住む4人組で参加したという50代女性)、「一年に一度親戚一同で旅行に行くのが慣例。初めて会う人ともツアーを通して友達になる。ツアーは家族的な雰囲気で、何度参加しても楽しい」(リピーターの30代女性)などなど興味深い。
朝鮮にはもう5年ほど訪れていないが、私が従来持っていた認識だと、旅行や観光は国外から来た人々がするものであって、市井の人々にとって国内旅行や観光という文化は身近ではなかった。しかし、上記の記事を読む限り、この認識は変えないといけないのかもしれない。
5~6年前まで仕事で1年の3分の1から4分の1を朝鮮で過ごす生活を7年ほど続けていたので、国内の主だった観光地はだいたい制覇した。しかし、ここ数年の発展の速度は従来の比ではない。この間、新たに整備された観光スポットは多い。機会があれば一度、観光目的で朝鮮を訪れてみたいと秘かに思っている。(相)