特別な一枚を【平壌発13】
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平壌市中区域にある「文化写真館」を取材しました。近年、平壌市内では写真館のニーズが高まっており、休日には行列ができるお店もあるとのことで、人気の秘訣を探りに行ったのです。※写真はすべて朝鮮新報社平壌支局
訪ねたのは7月27日の名節の日。写真館に着くと、廊下や待合室の壁にさまざまなシチュエーションで撮られた写真たちが掛けられていました。ブライダル写真、家族写真、子どもの写真、姉妹で撮った写真…。夕日の中に二人のシルエットだけが浮かぶ、恋人同士のロマンチックな写真も。
さっそくスタジオに入ると、ちょうど撮影を行っていました。両親と息子の3人家族。写真館は初めてなのか、みな緊張気味。しかし、「息子さん、せっかく男前なんだからもっと笑って」というスタッフの言葉にようやく顔がほころび、カメラマンがすかさずシャッターを切っていました。
撮影した写真は、待合室に設置された大画面ですぐに確認することができます。満足のいく一枚が決まったのかみな嬉しそうでした。
他にも、子どもの誕生100日記念で訪れた夫婦、長く海外出張中の夫に成長した子どもの姿を見せたいという母親、ブライダル写真を撮りに来た新婚さんなど、次から次へとお客さんが。そこにいるだけでも、市民たちの生活が垣間見えて面白かったです。
聞くと、みなテレビ番組でこの写真館について知り興味を持ってやってきたとのこと。
文化写真館の魅力の一つが、種類豊富な背景。雪景色、飛行場、海、新緑の草原など、好きな背景を選択し、シチュエーションを演出して写真を撮ることができます。なので常連客も多いそうです。今年4月に完成した黎明通りの風景もさっそく導入していました。
印象的だったのは、スタッフのパク・ヘヨンさん(写真右下)が言っていた「楽しい時、この瞬間を残しておきたいと思いませんか」という言葉。シンプルなこの一言に普遍的な思いを感じました。
訪朝の際はぜひ文化写真館で記念写真を撮ってみてはいかがでしょうか。日本へ戻るまでに時間があれば私も撮ってもらおうかなと思います。(理)