女の子とさくらんぼマーク
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連休中に家の整理をしていたら、一冊の刺しゅうの本が出てきました。
表紙は色あせていて、発効日は1993年(私が産まれた年です)。
値段を見ると古本屋で買ったようだったので、使い古した感はそのせいかもしれませんが。
なんとなくパラパラ~っとページをめくっていると、突然、懐かしい絵柄が目に飛び込んできました。
それは、保育園の頃の昼寝用のシーツに縫われていた女の子の絵と、まったく一緒でした。
オモニが作ってくれたものでしたが、顔のパーツや髪の毛の流れ、刺しゅう糸の色も、たしかに本に載っているものと同じでした。
「MARI」の部分に私の名前が書いてあり、同じように周りにさくらんぼが描かれていました。
保育園の頃、一人ひとりのマークが決められていたのを思い出します。
私は「さくらんぼ」で、そのマークにとてつもない愛着を持っていたのですが、極めつけはこのシーツでした。
周りの子はマークしかついていないのに、私だけ自分の顔まで縫われているからです(私はいつも、ショートヘアでちょんまげ結びをしていました)。
オモニに聞くと、偶然私にそっくりの女の子が刺しゅうデザイン集に載っていたので、それを買ってそのまま真似て作ったそうです。
いつも私の似顔絵をササッと描きあげてくれるオモニだったので、シーツの女の子の刺しゅうももちろん「楽勝」だと思っていましたが、聞いてみるとそうでもなかったようで…。
保育園や幼稚園では保護者が手作りのものを用意するよう求められ、仕事の合間を縫ってどうにか仕上げたり、しょうがなく外注する方もいると聞きます。
オモニも縫うのに苦労したのかなぁと、何も分からなかった保育園の頃を思い浮かべました。
現物の写真でも残ってたらいいのに…と思いましたが、当時は写真を撮るのも今ほど手軽じゃなかったのでありませんでした。
代わりにこの本をとって置こう思います。(S)