衆院選と新聞「思想運動」
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月刊イオ編集部に送られてくる定期刊行物(新聞、雑誌)の中に「思想運動」という新聞がある。
送られてきた10月1日号の1面(写真)は、「金持ちは戦争で儲けている! アベ「朝鮮国難選挙」のデマを打ち破ろう」というタイトルの記事が掲載されていた。今回の衆議院議員選挙と朝鮮問題を関連させて論じている。「北朝鮮の脅威」を煽るなかで米日の軍事費が跳ね上がり軍需産業と圧倒的な力を持つ金融資本・独占資本、一握りの金持ちたちが金儲けをする。希望の党の誕生は、保守2大政党づくりへの目論見で、国会の場から護憲勢力を駆逐・一掃しようとする支配階級の一種のクーデターにほかならない、と論じている。非常に説得力がある記事になっている。
衆院選(10月10日に公示、22日に投開票)まで1週間を切ってしまった。今回の選挙を巡って日本の政界が大きく動いた。衆院解散の頃から見て、今の政治状況はずいぶんと変わった感じがある。そもそも何のための選挙なのだろうか。
1990年ごろから(土井社会党ブーム以降)露骨・顕著になってきたが、選挙や政界再編は、国会から進歩的な議員を駆逐するために行われてきたという認識をもっている。「思想運動」の記事が指摘するように、私も今回の選挙はその完結編という目論見で行おうとしたものだと思っている。当初は、2大極右政党による国会が成立するかのように思われたが、その対抗軸となる勢力も出てきて、「3極対決」などと言われた。事前のマスコミの予想では、自公が300議席を超える勢いだと出ているが、はたしてどうなるのだろうか。
しかし、と思う。
今回の衆議院解散がなければ、国会で「北朝鮮非難決議」が行われる予定だったという。極右勢力も対抗勢力も、みんな、国会で「北朝鮮非難決議」に賛成を投じる議員たちばかりだ。朝鮮との関係正常化を公約に掲げる政党はどこもない。このような状況は、選挙結果がどうであれ、続く。選挙の結果は、「最悪か、そうでないか」というものでしかないのかもしれない。
新聞「思想運動」は、「活動家集団 思想運動」という集団が発行しており、毎月2回、1日・15日発行、タブロイド版8ページの新聞だ。政治問題を中心に日本や世界の様々な出来事を紹介・解説している。朝鮮半島問題や在日朝鮮人問題、朝鮮学校のことも毎号のように掲載している。作っている人たちが、朝鮮問題イコール日本の問題という視点・立場があるからだと思う。
10月1日号の「思想運動」には1面の記事の他にも、「北の脅威」を煽る日本のマスコミ批判や朝鮮の外相の国連での演説、韓国でのサード追加配備とそれに反対する人たちの動きなどの記事が掲載されている。
徹底して働く普通の人々の立場と視点に立った紙面づくりをしており、毎号、どの記事も非常に勉強になっている。一般的な新聞では得ることのできない情報が満載の新聞だ。選挙で1票を投じる人たちには、ぜひ「思想運動」を読んでもらいたい。(k)
「思想運動」のホームページ(http://www.shiso-undo.jp/index.html)