公演のお知らせふたつ
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月刊イオ2016年2月号の「それでも手をつないで」で紹介した、舞台女優の有馬理恵さん。誌面では、日本軍「慰安婦」被害者に関する詩や証言の朗読、一人芝居などを日本各地や海外で上演しながら、被害者の気持ちを伝える活動について主に紹介しました。
一方で有馬さんは、「劇団俳優座」の代表取締役も務めています。俳優座は、1944年に結成されてから現在まで、歴史や人権、平和などをテーマにしながら、常に時代を反映する作品を手がけてきた伝統ある劇団だそうです。
そんな俳優座の公演が、今後ふたつ控えています。興味のある方はチェックしてみてください。
一つは、有馬さんも出演する『いつもいつも君を憶ふ』。物語は、1923年に起こった関東大震災の翌年から始まります。
関東大震災と言えば、流言飛語によって朝鮮人が大量に虐殺された歴史があります。去る9月1日に行われた「朝鮮人犠牲者を追悼する式典」では、小池百合子都知事が追悼文送付を見送ったように、公権力が堂々と負の歴史をなかったことにしようとしています。
『軍靴の響きが忍び寄りつつある今、過去の過ちを二度と繰り返さないよう歴史を見つめ直すために。そして、人間関係が薄れている現代社会で、他者と向き合い、時にはぶつかり合うほどに関わる「ぬくもり」の中にこそある希望を、未来へ繋げるために―。』(案内チラシより)
作品には、在日朝鮮人の親子も登場するそうです。どのようなストーリーになるかは分かりませんが、歴史を考えるうえで、ぜひ私も観てみたいと思いました。こちらは年明けの上演です。
もう一つ。今月25日から『クスコ~愛の叛乱(はんらん)~』という作品も上演されます。平安時代初期(810年)、平城天皇と嵯峨天皇が対立した「薬子の変(くすこのへん)」を題材に、国の動乱期を描いた内容だそうです。あらすじは以下。
『時は大化の改新より150年あまり後。国を治める王には、3人の息子がいた。武にも智にも長けたイヨノ、おつむの弱いカミノ。そして第一の王子アテノは、女の尻を追いかけてばかりいた。ある日アテノは東国征伐の勇者タダヌシの娘・ヨマをさらい、妻に迎え入れる。入内の日、世話役として参内したヨマの母・クスコはアテノに見初められ、一夜限りならと身を許してしまう。』
両作品とも、詳細は俳優座のHP(https://www.haiyuza.net/)を参照してください。(理)