子どもたちの作文を読みながら
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本誌イオ編集部が属する朝鮮新報社が主催する在日朝鮮学生「コッソンイ」作文コンクールが今回で40回目を迎える。
朝鮮学校で学んだ朝鮮語でつづられる作文や詩には、子どもたちの内面世界や彼、彼女らを取り巻く日常生活、社会状況が反映されてきた。朝鮮学校やそこで学ぶ児童・生徒たちについて知るうえでも大変興味深い材料を提供しているといえるだろう。
入選作は朝鮮新報のウェブサイトにアップされ、書籍化もされる。仕事柄、作品を読む機会は多い。
子どもの文章と侮るなかれ。表現は稚拙でも、大人にはないユニークな視点や瑞々しい感性から紡ぎだされる作品に、ページをめくる手を止めて考えさせられたり驚かされたりすることも少なくない。読みながら目頭が熱くなることもある。
同級生や地元の友人・知人、そして日本全国の取材先でお世話になった人々の子どもの作品に出会うこともある。子どもの文章を通じて、これまで知らなかった親の一面に接して、思わずニヤリとしてしまう。
在日3世から4世、5世と代を継いで母国語で文章を書く営みを続けてきたこと、それ自体が賞賛に値することだと思っている。
コンクールがこの先、50回、60回、70回と続くことを願いながら―。(相)