神奈川中高の文化交流祭へ!
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各地の朝鮮高校で文化祭が行われているなか、11月11日、神奈川朝鮮中高級学校の文化交流祭2017に行ってきました。生徒たちが7000枚のチラシを配り、近隣のお店にチラシも貼り、FBページでユニークなCMを流すなど、広報に力を入れた結果、昨年に比べて5倍となる600人が来校! イベントは大成功でした。
感心したのは、生徒たちのサービス精神で、かれらは、来校者一人ひとりに「アンニョンハシムニカ~~」と挨拶するのはもちろん、校内で迷っている人に積極的に声をかけ、案内をし、素朴で率直な質問にも誠実に答えていました。
無償化差別が続き、神奈川県では自治体の補助金が止まることで、学校運営は厳しい状況ですが、希望を捨てず、「知ってほしい」と歩みを止めない生徒たちの姿に、何度も目頭が熱くなりました。
この日の交流祭で印象深かったのは、同校が取り組む翠嵐高校と和光高校との交流です。
翠嵐高校とは1970年代から交流が続いています。朝高との交流は講座「神奈川と外国」の一環として取り組まれていて、朝高の他にも、かながわ外国人すまいサポートセンター、中華街などを訪れるそうです。この日、翠嵐高校の生徒たちは、合唱や吹奏楽を披露。和光高校とは、「差別」をテーマに「しゃべり場」が行われていましたが、日本の高校生と朝高生が出会い、話し合う姿は、この先、かれらの「大きな力」になっていくと感じます。
違いや埋められない溝はあるにせよ、「出会い、話し合う」ということがどんなにすばらしいことか。大げさに聞こえるかもしれませんが、今の日本の状況からは、希少で貴いことに思えたのです。
在日朝鮮人や朝鮮学校がなぜ日本に存在するのか、を知らない人は本当に多い。
日本で子育てをしている私自身も、日本政府が先頭切って朝鮮学校を差別していることが、「子どもたちの育ち」にはかりしれないほどの影響を与えるだろうと、日々思いながら学校に送り出しています。
たとえば、朝鮮高校生が卒業して日本社会に出たとき、「自分」を説明するのに、相当な苦労を強いられます(現に強いられている)。それは、政府が差別するための印象操作に懸命に取り組んでいるからで、無償化裁判の現場でもその勢いは留まることがありません。
しかし、人というのは自分の目で見て肌で感じたことは、忘れないものです。
校門でどんな人が来るのかと見ていると、一組の老夫婦が目に入りました。
「実家の近くにも北朝鮮の学校があったのよ…」と話しながら、オープニング会場となる体育館に向かっていきます。私も実生活で「日本語上手だね」「いつ韓国から、日本に来たの?」「朝鮮学校には北朝鮮から来た子どもが通っているの?」と聞かれますが、それでもこの老夫婦の後姿に安らぎを覚えたのは、「足を運んでくれた」という紛れもない事実から。朝鮮学校に足を踏み入れず、イメージが雪だるま式に膨らんでいくより、生徒たちの姿を実際に見た人たちは、自身のイメージを確かめながら、何かを感じてくれたはずです。
神奈川中高のみなさん。本当におつかれさまでした!
文化祭の詳細は、朝鮮新報に記事を書いたのでこちらをごらんください。(瑛)
http://chosonsinbo.com/jp/2017/11/16-5/