映画祭で観た温かい作品
広告
先日、映画祭・東京フィルメックス(11月18日~26日、有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇)の上映作品を観に行きました。
数年前まで映画祭とは無縁でしたが、友人が映画関係の仕事をするようになってからは数回足を運んでいます。
会場に来た時に毎回感じるのは、一般の映画館よりも、映画への情熱のようなものが一帯に漂っているということ。
ゲストやスタッフも忙しそうに動いていて独特な空気感があります。
今回観た映画は、「泳ぎすぎた夜」。日本の五十嵐耕平監督と、フランスのダミアン・マニヴェル監督による共同合作です。
第74回ヴェネチア国際映画祭に正式出品された、日仏の若手監督による野心作として話題を集めていました。
舞台は雪に覆われた青森。早朝から魚市場で働く父親に絵を届けるため、6歳の少年が通学路を外れて冒険に出るという物語です。
物語自体もシンプルで、描かれている風景も人々が生活している普通の日常なのですが、少年にとっての大冒険を辿るうちに、色々なものが見えてきます。「普通」の中にいつもある温かさだったり、誰かを思う気持ちだったり、切なさだったり…
印象的なのが、台詞がほぼないという点。それなのに物語が一つひとつ進み、観ている側にスッと入ってくるところが不思議でした。
少年を演じたのは青森の一般の小学生。家族役も、実際の家族が演じたそうです。
ドキュメンタリーのような、驚くほど自然な雰囲気があるのも分かるような気がします。
上映後の監督のトークでもキャスティングや撮影に関する話が聞けて面白かったです。
機会があれば、ぜひ観てみてください。映画祭も26日までやっています。(S)