在日朝鮮学生美術展・東京展、生徒たちのアーティストトーク
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24日、27日と美術展の話題が続いたので、私も美術展のことを書きたいと思います。埼玉で開かれた在日朝鮮学生美術展・東京展を26日の日曜日に見にいきました。私の関係者の作品が展示されていたこともあったからです。ほぼ毎年、見ていますが、今年も力作ぞろいでした。
この日の1時から、アーティストトークとして、東京朝鮮中高級学校の美術部の生徒たちが自分の作品について説明する催しがありました。日本人の観覧者たちも熱心に耳を傾けて、質問する場面もみられました。
ある生徒は自分の迷いなどの感情を歪んだ部屋の中に置かれた水槽に込めて描いていました。ある生徒はいろんなもので汚染されている地球の空について、ある生徒はゴミ箱に植えられた木を通して日本のリサイクルとゴミ問題について、ある生徒は在日朝鮮人の自分の軸となっている言語について、ある生徒は修学旅行で行った祖国での思いについて…と、様々な問題意識をもって作品を制作したことを語っていました。
説明を聞いていて感銘を受けたのは、生徒たちの多くが自分が住んでいる日本社会のいろんな問題について、幅広く関心を持ち、それを作品として表現していることです。高校無償化問題などをストレートに扱った作品はほとんどなかったけれど、全体として日本社会で暮らす上での息苦しさのようなものが感じられました。そして、その息苦しさを何とか打開しようという思いが、すべての作品に込められていたと思います。
展示会ではまた、「南北コリアと日本のともだち展」のワークショップで、ピョンヤン、ソウル、延吉、日本の子どもたちのメッセージを葉っぱや果実にした、大きな木の絵の展示もありました。
東京展は29日で終了しますが、在日朝鮮学生美術展はこれから、千葉展(12月5~10日)、神奈川展(1月12~17日)、島根展(2月1~4日)、北海道展(2月16~18日)、東海展(2月28~3月4日)と続きます。相撲の暴力事件の報道ばかりでうんざりしている方、ぜひ足を運んでください。(k)