高裁での逆転勝利へ!/東京無償化裁判再決起集会
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東京無償化裁判での「逆転勝訴」を目指す再決起集会(主催=東京朝鮮高校生の裁判を支援する会)が2月18日、東京都内で行われ、朝鮮高校や日本人支援者ら380人が集まった。2017年9月13日に敗訴判決が下された東京では、3月20日から控訴審が始まる。
集会では、東京地裁判決の不当性と控訴審の展望について3人の弁護士が発言した。原告弁護団によると、17年12月18日に提出した控訴理由書では、「一審判決の間違い」に絞った主張を行ったという。
李春熙弁護士は、「国がしていることは法律違反だ。国が朝鮮高校を排除した真の理由は、ハの削除で、これは明らかに政治的外交的な理由だ。しかし、東京地裁判決は国が規程ハを削除したことを無視した。一審では『規定ハ削除の違法性』をまったく議論していないので、控訴審で本格的に議論したい。裁判所が社会的な雰囲気に負けず、判断するようしっかり準備していく」と意気込みを語った。
続いて発言した金舜植弁護士は、「裁きを受けるべきは文科省。最高裁まで見据えて、控訴審では緻密な理論を積み重ねていくことが大切だ。また、朝鮮学校が法令(私立学校法)に基づき、学校運営をしていることを補充していく」と語った。
師岡康子弁護士は、「朝鮮学校における教育内容や生活を知らせていく。これらの最低限の事実を知ったうえで、裁判所には法律に基づいて判断してほしい。事実を見てもらったうえで、子どもたちを見てなお教育の機会を奪うのか、差別をしていいのかを問いたい」と訴えた。
冒頭、韓国のドキュ創作所が制作した動画「海を越え、ウリハッキョを紹介します」が流されたが、とても好感を持てる内容で、読者の方々にもぜひ見ていただきたい。日本語、朝鮮語、英語版がそれぞれある。
https://www.youtube.com/watch?v=Vfvf_AMwBPE
前回の判決から約5ヵ月。この間も無償化差別を解消すべく、国際社会や日本社会への訴えが続けられてきた。
国連に働きかけてきた在日本朝鮮人人権協会の朴金優綺さんは、第3回UPR日本審査で各国から差別是正を求める勧告が出されたことで、「日本政府による朝鮮学校の『高校無償化』制度除外が、国際人権基準に照らして是正されるべき人権侵害行為であることが改めて示された」とその意義を強調した。今年8月の人種差別撤廃委員会による第4回日本審査、9~10月の「子どもの権利委員会による第4回日本審査」の場でも国際世論を喚起していくという。
長谷川和男・「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」共同代表からは、「朝鮮学校の子どもたちに笑顔を! 全国行脚」の報告があり、各地の子どもや保護者たちと出会う中で感じた思いを伝えていた。
無償化を求める闘いは4月で9年目に突入する。
東京朝鮮高級学校からは高2の2人が発言した。男子生徒は、「敗訴判決を聞き、怒りと悲しみが一気にこみ上げた。しかし、悲しんでばかりはいられない。どんなに踏みにじられても、パワーに変えた闘いの歴史がある。絶対に勝つという信念をもって、共に泣き、抱き合うその日までがんばり続けましょう」と訴えた。
同日、「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」の2018総会が行われ、スンリ基金100万円が東京朝鮮中高級学校の愼吉雄校長に手渡された。
最後、司会を担当した柏崎正憲さんが、「文科省は、不当な差別に子どもたちを巻き込んでいる。歴史を振り返らず、居直り、生徒たちを貶め続けているなかで、いくら平和や繁栄をうたっても、その平和に価値はない。いろんな場で訴えていこう」と呼びかけ、来場者のみんなで「声よ集まれ 歌となれ」を合唱した。
4年にわたる裁判を支えてきた「支援する会」は、「逆転勝利を目指して、これまで以上の取り組みを準備する」として、運動のウィングを大胆に広げることを課題に定めている。
朝鮮学校や裁判への関心を喚起するため、今後も通信発行、学習会の開催、他の集会でのアピールなどを進めていく。無償化差別を知らせるパンフレットも新しく作られた。
今日は金曜行動の日。東京朝高生も多数集まるという。現役の高校生を差別し続ける文科省は高校生の訴えに何を思うのだろうか。何かが響くと信じ、私も久しぶりに足を運びたい。(瑛)