銃を向けられた在日朝鮮人
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昨日2月23日の午前3時50分頃、在日本朝鮮人総聯合会(総聯)の中央本部が所在する朝鮮会館が銃撃されるという事件が発生。私は同日の出勤中にネットニュースを見て知ったのですが、(あ、恐ろしいな)と感じ、とっさにスマホから顔を上げて周囲を見渡してしまいました。とりあえず続報を待つことに。
その後、ネットを通して分かったのは、実行犯の一人(現行犯で二人が逮捕された)桂田智司という人物が、過去に何度も排外デモなどを行っている筋金入りの排外主義者だったということ。
夕方に総聯中央が記者会見を開くとのことで取材に行ってきました。
記者会見では、総聨中央常任委員会の南昇祐副議長が談話を発表。全文は朝鮮新報ネット版に掲載されています。→http://chosonsinbo.com/jp/2018/02/il-1348/
談話文が読まれたあと質疑応答の時間が設けられ、朝日新聞、読売新聞、フジテレビ、時事通信、聯合ニュースほか、日本と韓国のメディアから質問がありました。そのうちのいくつかを紹介します。
Q.談話を読む前に(副議長が)、「事件後、心配の電話が各地から寄せられている」と話していたが、どのような声が届いているのか?
A.日本各地の同胞たちと日本の方々から電話などを頂いている。同胞たちは「これは全く許すことのできないテロ行為だ」といったような激憤に堪えかねるという声、そして日本の方々は、まずは「人的被害がなかったか」、そして「これは一部の右翼が起こしたことではあるが、今の社会や政治状況がそうさせているもので、大変忌々しき問題。大変だが頑張ってほしい」と激励の声が届いている。
Q.事件の前に脅迫の電話や犯行声明のようなものがあったか?
A.直接、事件に関連することにおいてはない。しかし、毎週のように相当数の右翼宣伝車が近くまできて妨害活動をしたり、数人から20人程が朝鮮会館の前で騒ぎ立てるなどということは日常茶飯事だった。そういったものとの関連性がどこにあるか分からない。
Q.二人とも拳銃を所持していたのか?
A.警察の報告によると、暴力団出身とされる川村能教という男が銃撃犯だったと思われる。暴力団がピストルで加害を加えるという行為とは質が違う。個人の判断ではないはず。誰が何のために雇ったのか、警察はかなり厳しく背後関係を追及すべきだと思っている。
Q.総聯の地方組織も含めて、これまでこのようなテロ被害に遭った前例はあるか?
A.1983年11月18日に、同じように銃で襲撃された事件があった。この建物ではなく、総聯中央の旧会館があった時だ。突然、銃弾によって1階の窓ガラスが撃ち抜かれた。
Q.その時から35年以来となる今回の事件。やはり衝撃が大きいと思うが?
A.それもそうだが、35年が経ったいま現在でも同じような事件が起きていることに、大変な驚きを禁じえない。在日同胞の権利を擁護するための団体が敵視され、政治の的になっている。こういう事実を冷静にきちんと見つめていく各方面の努力が必要だと思う。今回の事件も、社会的にどう扱われていくか―。そこに総聯への、日本社会の見方が表れると思う。
南昇祐副議長は引き続き、事件を受けての思いを述べました。
「日本は長らく朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、経済制裁をはじめとする政治的圧力を加えてきた。その一直線上で私たち在日朝鮮人を扱っている。“政治的”という言葉はプロパガンダの意味で言っているわけではない。例えば私を含め、総聯中央の幹部は日本政府の制裁によって本国へ渡航することができない。ある幹部は、朝鮮にいる兄が亡くなったにも関わらず会いに行くことすらできなかった。出国すると二度と日本に入ってこられない。このような非人道的なことが、具体的な政治的処置としてあるのです」
「総聯の活動は基本的に、在日同胞の生活と権利を守り、日本市民との交流を進め、民族の文化を教え、朝鮮半島の平和のために寄与すること。これだけなのに、不法団体・犯罪団体のように扱われている。こういった姿を映し出そうとしているのは日本の支配層。そんな中で、右翼による信じがたい犯罪行為も“許されている”現状がある」
私は話を聞きながら、「もしかすると差別している側も、自分が一体なにに向かって差別しているのか、きちんと理解していないのではないだろうか」と思いました。先日、横浜で行われた朝鮮学校ツアーの際に佐野通夫先生が仰っていた「日本社会に蔓延している在日朝鮮人への差別意識は観念的なもの」という言葉が頭に浮かびました。
日本社会で盛んに聞かれる「北朝鮮」という言葉も、それを憎悪の感情で使う人たちは、しかし全く具体的なイメージを持っていないのだと思います。権力に迎合するメディアに煽られるだけ煽られて、知った気になって色々と混同して、「朝鮮」と名のつく身近な対象にその矛先を向けてしまう。朝鮮総聯しかり、朝鮮学校しかり、在日朝鮮人しかり。
だから怖いのです。今日、総聯に向けられた銃は、明日は朝鮮学校に向けられるかもしれない。在日朝鮮人に向けられるかもしれない。改めて、今回の事件が重大なヘイトクライムだったことに気づかされました。
実はちょうど、記者会見の取材に出る前に知り合いの雑誌記者さんから一通のメールが届いていました。
『今朝の朝鮮総連へのヘイトクライムに心を痛めています。朝鮮ルーツの方々がどれだけの恐怖と絶望を感じているか、考えただけでも胸が苦しいです。一部の右翼や実行犯が問題なのではなく、日本社会全体の差別の問題として考えないといけないのですが、そういう意見は完全に少数になってしまっているし、日本のメディアに関わる者として責任を感じます。ヘイトクライムを絶対に許さないことを表明し、実行犯を生み出した差別的な社会を変えるために一層努力します。』
まだ情報も少ない中、事件の重大さと差別性を敏感にキャッチしてこのようなメッセージを送って下さっていたのです。記者会見が終わったあと、実感を持ってもう一度このメールを読んだとき、遅ればせながらとても励まされました。
私も、もっと深い目を持って、日本社会に訴えていける言葉を獲得していきたいと思います。
来週28日の夕方からは、今回の総聯への犯罪行為に対する怒りを込めて緊急集会も開かれる予定です。(理)
積極的な情報発信を
長らく、日刊イオの事、忘れてましたが、
総聯銃撃のニュースを見て思い出し、書き込んでます。
すべては無知と偏見から起こっているのではと思います。
インターネットを見ても、正しい情報ももちろんあるのですが、
侮辱と嘘だらけの間違った情報ばかりで、無知の人が正しい情報に、
なかなか出会えないのです。
本屋に行っても然りです、ヘイト本や嫌韓本ばかりで、ゼロから半島情勢を
勉強したいと思っても、例えば、桜井誠と姜尚中氏の本が並んでいた場合、
大体の人は桜井の本を買ってしまう訳です、だって桜井のほうが過激で
面白そうに見えてしまうのでしょうよ。
正しい情報に飢えている日本の方も一定数いるはずだと思います。
現に、東京朝高の学園祭でも一定数の日本の方もいらっしゃるし、
北海道学校や新潟学校なんかは、日本の方で大盛況じゃないですか。
都市部や地方に関係なく、正しい情報を得ようとしている人は大勢います。
しかし、テレビをつけた所で、金王朝の殿下と公主の兄妹物語ばっかり
見せられる訳ですよ。ある意味、日本人は洗脳されちゃってますよ。
この状況を打開するには、積極的な情報発信しかありません。
しかし、ネットは使わない方が良いでしょう、ネットで発信した所で
嘘八百並べたヘイトな反論をくらうのがオチですし、そもそも、
善良な市民が、数ある情報の中から正しい情報を拾い上げるのは困難です。
そこで、私が提唱するのは、ブックセンターの復活であります。
共和国から本が入ってこないのであれば、それは仕方が無いでしょう。
正しい情報を持った日本国内の書籍、また、南の書籍も取り寄せて、
さらには、米国も含めた世界中の書籍や資料を取り寄せても良いでしょう。
世界中の海外僑胞たちが東京に立ち寄った際に集えるコミュニティーゾーンを
併設しましょう、ロサンゼルスのコリアタウンの名物料理や、瀋陽朝鮮族自治区の
特産品とか、もちろん在日商工人のブースも作って、おなじみのロールケーキ
売っても良い訳だし、ヨシダのソースと同胞焼肉店のタレを並べて売っても
面白そうじゃないですか。共和国のレストランを再現してみるのも面白いでしょう。
すべては組織に利益が出る仕組みにしていかなくてはいけません。
アンテナショップのラウンジが中外旅行社のブースになってて、共和国観光について
気軽に相談できるようになってても面白そうじゃないですか。
それと、総聯ビデオシリーズをネット番組の形で復活させて、そこに芸能人呼んだりして、
スタジオはアンテナショップの横にガラス張りで作って、イオ編集部の女性たちが
パーソナリティーになって番組進行しても面白そうじゃないですか。
朝青ガールズとか、留学同48みたいなユニット作って、同胞アイドルたちがネット番組で、
北東アジアの正しい情報を発信するのも面白そうじゃないですか。
すいません、汗、汗、汗。。。夢が膨らみ過ぎました。
いずれにしても、何だかの形で、正しい情報の積極的な発信は必要でしょう。
数年ぶりの書き込みで、興奮しちゃいました。
まずは、月刊イオ誌面において、今回の銃撃事件について掘り下げてみるべきです。
1983年以来事件が無いように言ってましたが、私の記憶では、20年位前に千葉県の
本部だか支部が放火されて活動家の先生が亡くなっていたように思います。
昔の時代だと、支部サムソとかウリ学校のガラスなんかは、石を投げられて、
忘れた頃には割られていた記憶があります。
長々と書きましたが、イオ編集部の皆様に、事業での成果と健康を祈念します。
過去に大病を患った方も、元気に仕事していらっしゃるでしょうか。
もちろん皆様の顔も知らない訳ですが、イオの情報を楽しみにしている私のような、
いわゆる同胞社会から距離を置いていたり、離れてしまっている人もたくさんいて、
そういう人たちの正しい情報源にもなっているという事も忘れないで欲しいと思います。