朝鮮半島分断の悲しみ
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先日、偶然にも放送直前の番宣で流れてきて録画しておいた番組、
「草彅剛の“ニュースな街に住んでみた!”韓国・ソウル」を鑑賞した。
どうせいつもとお決まりの朝鮮を悪くみせる番組かな、とあまり期待していなかったが、予想に反して意外によかった。
番組は、朝鮮戦争混乱の最中、
北から南に渡ってきた失郷民と呼ばれる人たちが暮らす村に、
草彅剛とNHKの柳沢解説員が何日間かアパート暮らしをしてみるというもの。
その村に暮らす人々の生の声を、ふたりが見て、聞いていた。
時には、若者たちの統一への思いを聞いたり、
平壌に故郷を持つハルモニの若かりしころの写真を拝見しながら
話を聞いたり。
北側の村が遠く彼方に微かに見える島に暮らす
ハラボジの言葉が特に印象的だった。
故郷に少しでも近い場所で余生を送りたいと思い、
この島に移り住むことにしたといいながら、
双眼鏡で微かに見える故郷の姿を覗き、
二人に語っていた。
「故郷は母(オモニ)だ」と。
その言葉を聞きながら、瞬間的に1世の祖父を思い出した。
祖父も同じようなことを言ってたからだ。
生涯願いながらも、行きたくても行けなかった愛しい故郷。
いまも叶わない願いを持つ人々がいる現実。
普段日本のテレビでは報じない、朝鮮半島分断の悲しみを真面目に捉えていた。
二人もじっと耳を傾けていた。
柳沢解説員が冒頭、朝鮮半島のことを何も知らなかったから、
知るために来た、というようなことを言っていた。
外部からの情報のみ並べて解説するエセジャーナリストが多い日本で、
自分の目でみて、聞いて、感じてみる人たちがもっと増えればいいなと本当に思った。
巧い言葉を並べるのではなく、
そこにある現実と、人々の思いに
耳を傾けて感じてもらうことの大切さを改めて感じた。(愛)